ニューヨーク1997/ジョン・カーペンターらしい世紀末。あらすじ感想。ゾンビ映画の元ネタ

昔、昔、ある所に、スネーク・プレスキンと言うジム・モリソン似の強いと言われているアイパッチ男がいました、、、。

とついつい、話したくなる、1981年アメリカ制作の映画「ニューヨーク1997」(Escape from New York)を久しぶりに見ました。

これね、やっぱ、最近の流行りのアクション映画やゾンビ映画の元ネタになってると改めて思った。

あと、小さい時は「壮大なスケールのSF!」と思ったのに、今見たら「脱出 & 脱獄ドラマ」と、凄く身近な感覚になりました。不思議ね。

時代と共に受け取り方が変わる。

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「ニューヨーク1997」
(Escape from New York)は、B級映画、ホラー映画撮らせたら右に出るものはない⁈と言っても過言ではない、ジョン・カーペンター監督の作品です。

ジョン・カーペンターと言ったら、Lyraが大好きな作家Stephen Kingの実写版「クリスティーン」を製作してくれてるし、このニューヨーク1997の主役カート・ラッセルが宇宙飛行士役で再び主演している「遊星からの物体X」や、ホラー映画「ハロウィン」なんかで有名。B級映画の巨匠と私は思ってる。

B級、B級、やたら言ってるから、低予算映画か低脳映画と勘違いしないでね!

B級映画には、A級映画にはない、病みつきになるような魅力があるのだから、、、。(A級ってある?)

Lyraはターミネーターだって、B級テイスト満点だった第1作が1番良かったと思っているから!

このB級好き、B級映画とメジャー映画の違いが分かる貴方ならば、この映画の良さが分かるでしょう!

Lyraが考えるB級映画の良さと特徴は、

1.「噛み締めても噛み締めても、まだ、味わえる魅力!」

2.そして、「通好みの手作り感とダーク&チープな癖になる世界観」

3.「低予算だからこその映画製作への愛」

それがB級映画の良さなんです。

「ニューヨーク1997」は、まさにその3つが合体した映画です。

製作がアブコ・エンバシー、監督がジョン・カーペンター、主演をカート・ラッセルが演じた近未来SF映画。

1981年当時は大スペクタル〜、というイメージでしたが、実は、オープニングのマンハッタンのイラストはCGではなく、段ボール箱にガムテープを貼りブラックライトを当てたものでした。

また、冒頭のスネーク・プリスキンがグライダーを使い、夜陰に乗じてニューヨークに侵入を試みるシーンで、グライダーに搭載された暗視野装置のモニタに映し出される風景映像は、ミニチュアをリスフィルムで撮影して光学合成をかけたもの。

まだCGに莫大な予算が必要だった当時としては現実的かつ効果的な手法であり、その後しばらくの間は「CGを使いたいが予算がない」という作品で多用されるテクニックとなりました。

まさに、映画への愛が伺える手作り感!

グライダーが飛ぶ所とかね、大人になった今になって見ると「模型」と明らかにわかってしまう。

だけど、そのチープなグライダーが、暗黒の暗闇のNYにヨロヨロと落ちて行くのを見ると本気でハラハラ感が余計に湧くんですよね。

ストーリーを紹介すると、

1988年、犯罪増加率が400%を突破したアメリカは、ニューヨーク・マンハッタン島を15メートルのコンクリート壁で囲み、一帯をまるごとアメリカ最大の刑務所とした。そこには終身刑の重犯罪者が集められ、週に1回セントラル・パークに投下される食料の配給以外はすべて所内の囚人による自治に委ねられていた。

外部と繋がる橋には地雷が埋められ、川を渡る者は監視ヘリにより銃殺されます。

エネルギー危機によって米ソが開戦した第三次世界大戦が終結しつつあった1997年のある日、大統領専用機がテロリストに乗っ取られ、マンハッタン島内に激突墜落させられる。大統領は脱出用ポッドで機外に逃れたが、救助に向かった強行突入部隊が発見したのはこじ空けられたポッドだけであり、大統領はすでに囚人たちによって拉致され、残されていたのは刑務所周辺を警備する全兵力の撤退を要求する囚人たちの要求書と、切り落とされた大統領の指1本だった。救出に向かった看守部隊はなすすべもなく引き上げる。

大統領は米中ソの三国サミットへ向かう途中で、参加国に対して戦争の原因であるエネルギー問題を解決する核融合技術に関する発表内容が吹き込まれた録音テープを提示する予定だった。

警察本部長は元特殊部隊員でレニングラード降下作戦の英雄ながら、武装強盗の罪でマンハッタン島に収監される予定だったスネーク・プリスキンを、釈放を条件に刑務所内に単身潜入させることを思い付く。

そして、スネークに、大統領の救出と引き換えに恩赦を与えるという取引を強要する。その制限時間は24時間

任務を引きうけたスネークに武器と発信器が与えられた。

嫌々ながら大統領救出作戦に同意したスネークは、頚動脈に24時間後に爆発する小型爆弾を注入されたうえでサプレッサー付きMAC10を渡され、グライダーで世界貿易センタービルへ着地すると、「ニューヨークのデューク」を名乗って大統領を人質に取ったギャングのリーダーや、街に蠢く食人者たちを相手に孤独な戦いを開始する。

グライダーによって貿易センタービルの屋上に着陸したスネークは、さっそく大統領が手首に巻いた発信器の信号を追って地下へ。

しかし時既に遅く、発信器は別の囚人の腕にあり、途方に暮れて路上に佇むスネーク。

突然周囲の地下から無数の人影が湧きだし、取り囲む。地下に潜む「クレイジーズ」という危険な連中たちが襲いかかってきたのだ。

戦いながら、路地裏を走っていたスネークは、キャビーというタクシー運転手に助けられる。
スネークは事情通のキャビーから、大統領を人質にとった者について聞くと、囚人たちを束ねる組織のボスでデュークと名乗る男が首謀閣だとわかった。

スネークは、ギャビーにデュークのところへ連れて行けと言うが、キャビーは、デュークにはなかなか会えないからと、まず、デュークの相談役であるブレインという男の住まいにスネークを連れて行く。

デュークに重く用いられ、マギーという情婦まで与えられているブレインは、実はスネークを裏切り置き去りにした昔の仲間であった。

スネークは、デュークに会わせるようにブレインを脅し、一緒にニューヨークを脱出することを条件に大統領救出の手助けを約束させる。
ブレインの案内で大統領の監禁場所に向かうスネークたち。

途中、デュークの専用車であるキャデラックが通りかかり、一同は隠れたが、デュークを恐れたキャビーが姿を消してしまう。
スネークはデュークの部下から車を奪い、大統領が監禁された列車の車両基地に向かうと、ブレインが見張りの注意を引きつけている間に大統領を救出した!

しかしその直後、デュークの部下たちに発見され捕まり、ブレインは自分はスネークに、銃で脅されていたとデュークに言い訳をする。

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その頃、刑務所の監視所ではスネークからの連絡が途絶えたことで、強行手段が検討中。しかしホークはスネークの生存を信じ、彼にまかせるよう主張。
セントラル・パークでは食料の配給に向かった刑務所のヘリに、大統領の命と引き換えに囚人たちを解放しろというデュークが要求していた。
デュークは橋を通ってニューヨークを出る計画だったが、橋に仕掛けられた地雷原が無数に配置されていて脱出は困難だった。

だが、ブレインは、その地雷原を通り抜けるための地図を所持していた。

デュークはスネークを公開処刑の場に引き出させ、屈強な囚人との一対一のデスマッチを強要した。

集まった囚人達を前に、デュークはスネークの首を掲げて囚人一同で橋を渡ることを宣言する。
その間に、ブレインはマギーとともに監禁されていた大統領のもとを訪れ、監視していた囚人たちを殺して大統領を助け出した。
スネークが激しい戦いの末に屈強な相手を倒したことで、見守っていた囚人たちから一転スネークコールがわき起こってしまう。

その隙をついてスネークは、デュークの手下に奪われていた発信器のスイッチを押した。
監視所ではホークがその信号に気づき、やっと、スネークの生存を確認出来た。
一方、公開処刑の場にブレインが裏切ったとの報告が伝えられ、周囲の囚人たちはスネークを放置してブレインたちを探しに駆け出して行く。残されたスネークは、悠々と脱出する。
ブレインとマギーは大統領を連れ、貿易センタービルの屋上に向かったが、囚人たちの激しい抵抗にあってグライダーに近づけない。

しかも囚人たちはグライダーをビルから落としてしまった!
駆けつけたスネークもそのことを知ると、急遽、大統領を連れて橋からの脱出をすることに。

デュークの包囲網を突破したスネークたちは、キャビーのタクシーで橋へと向かう。

大統領はテープを失ってたが、そのテープは帽子と引き換えにキャビーが手に入れていた。
ブレインの地図を頼りに橋を渡るスネークたち。だが、その地図は不完全だった為にタクシーが爆発で破壊され、キャビーが命を落としてしまう。
さらに徒歩で進もうとしたブレインも地雷によって死亡してしまった。

そこへ、自らキャデラックを運転してデュークが追って来た。

マギーは亡骸になったブレインの側に残る決意をして、追って来たデュークをたったひとりで迎え撃つことにした。

スネークは彼女に持っていた拳銃を渡し、大統領とともに橋を渡って行った。
デュークはマギーの銃撃にひるまず彼女をひき殺し、徒歩でスネークたちを追って行く。

さらにデュークはスネークから奪った機関銃を使い、大統領を助けようとした看守を射殺する。
壁に到着したスネークは、大統領を登らせ、1人でデュークと闘う。

一対一の闘いが続くが、最後、デュークの止めを刺したのは、大統領。大統領は射殺された看守の銃を奪い、さんざん自分を嬲ったお返しとばかりにデュークを射殺したのだった。

やっとの思いで壁を越えたスネークは、テープと引き換えに爆弾の無力化処置の放射線を受け、残り3秒の所で助かったのだった。
無事に救出された大統領が演説の用意をしている場へ、スネークが現れ、「あなたを助けるために多くの人命が失われた事についてどう思いますか?」と尋ねる。

大統領の答えは「感謝しているよ。えーっと、彼らは国家にとって尊い犠牲だ」とお座なりの答えしか返ってこなかった。

スネークは何も言わず、くわえていたタバコを捨て、その場を立ち去る。
そんなスネークにホークが声をかけ、自分と組まないかと提案した。「どうするんだ、スネーク?」と聞かれ、スネークは「プリスキンと呼びな」とだけ応え去って行く。
そして大統領の演説が始まり、続けて新型エネルギー技術の報告のテープが再生されたが、それはギャビーの車の中にあった音楽のテープだった。

そのジャズが流れる中、暗闇を歩くスネークは、すり替えていた本物のテープの中身のテープを引っ張りだして破棄してしまったのだった。

 

カート・ラッセルは無口な屈強なヒーロー。寡黙というか感情的になることは、ラストのシーンくらいでクールを突き通す。

そして、そのクールなヒーロー?が、大統領救出作戦を決行する、というただ、其れだけの単純ストーリーなんだけど、出演者たちが癖のある名優ばかりだから最後まで楽しめます。

 

スネークであるカート・ラッセルに、無理矢理、計画を実行させる上官が、西部劇で有名なリー・ヴァン・クリーフだから画面がグッと引き締まっています。

彼の喋り方と髭が、質実剛健な空気を醸し出す。

そして、スネークが1番初めに仲良くなる?というか、相棒みたいにくっついて来た案内役の元タクシードライバーが、アーネスト・ボーグナイン。1980年代のアメリカ映画の脇役で色んな名作に出てた俳優さんだから、チョットしか出ていなくても、すごく目が行く、お茶目で人が良いオッチャンの演技をしてくれています。

彼がいるから、暗くどよーんとした世紀末にジョークを与えていますね。

そして、Lyraが好きなハリウッドのお父さんみたいな存在のハリー・ディーン・スタントンが、ブレイン役を演じて入るから、アメリカ映画好きの人は嬉しくなっちゃうんじゃないかしら?

前にこのブログで話したLyraが好きな映画「パリテキサス」の主役のダメ父親役を演じていたのがハリー・ディーン・スタントンです。

「アウトサイダー」などヤングアダルト映画が流行った時に、彼は、ダメな父親役で実際のホワイトトラッシュに成り切っていました。ダメ役やらせたら世界一。

今回も、気弱でずる賢い嫌な役を、どこか憎めない哀愁が漂う演技を完璧にだらし無くやっているから、オススメですよ。

映画的には、昔見た時のような衝撃はなかったし、SF映画大作と言われてたのと違い、今見るとCGに見慣れたせいかスペクタルさは半減しています、、、。

都合よくスネークたちが助かってしまったり、ツッコミ所があるんだけど、ニューヨークが、全て刑務所になる設定は単純に面白いし、廃墟だけの世界が、世紀末映画やドラマの基本だと思わせる映像が見ていて面白いです。

さすが、ホラー映画撮らせたらうまいジョン・カーペンター監督!

暗闇に、どこからともなく現れてくる囚人のグループが、あちこち徘徊していたり、煙たい街の崩れ加減が、「あれ、これ、あのゾンビ映画の元ネタ?」とわかるから面白い。

ラストの感じは、監督のメッセージなのかな?

国の上層部にとっては、尊いはずの国民の命も虫けらみたいな物、、、そんな虚しさに、スネークは、国家機密のテープをサラッと使えない物にしてしまう。

細やかだけど。確実なる復讐。

映画の余韻に浸って、今夜は闇の中で眠りましょう、、、。

 

監督 ジョン・カーペンター
脚本 ジョン・カーペンター
ニック・キャッスル
製作 デブラ・ヒル
ラリー・J・フランコ
出演者 カート・ラッセル
リー・ヴァン・クリーフ
アーネスト・ボーグナイン
音楽 ジョン・カーペンター
アラン・ハワース
撮影 ディーン・カンディ
ジム・ルーカス
編集 トッド・C・ラムゼイ
配給 日本ヘラルド
アメリカ アブコ・エンバシー
公開 日本1981年5月23日
アメリカ合衆国1981年7月10日
上映時間 99分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 $25,244,626
次作 エスケープ・フロム・L.A.
『ニューヨーク1997』(原題:Escape from New York)は、1981年のアメリカ映画。1996年には続編『エスケープ・フロム・L.A.』が製作された。

 

キャスト

※括弧内は日本語吹替(ソフト未収録)。

スネーク・プリスキン – カート・ラッセル(青野武)
ボブ・ホーク – リー・ヴァン・クリーフ(内田稔): 警察本部長。
キャビー – アーネスト・ボーグナイン(金井大): タクシー運転手。
アメリカ合衆国大統領 – ドナルド・プレザンス(宮川洋一)
ニューヨークのデューク – アイザック・ヘイズ(小林清志)
ブレイン – ハリー・ディーン・スタントン(川辺久造)
バー”Chock Full o’Nuts”の女 – シーズン・ヒューブリー
マギー – エイドリアン・バーボー(此島愛子)
レーミー – トム・アトキンス(筈見純): ホークの部下。
国務長官 – チャールズ・サイファーズ
テイラー – ジョー・アンガー
ロメロ – フランク・ダブルデイ
クローネンバーグ – ジョン・ストロベル
殺人ゲームのレスラー – オックス・ベーカー
スタッフ

監督:ジョン・カーペンター
製作:デブラ・ヒル、ラリー・J・フランコ
脚本:ジョン・カーペンター、ニック・キャッスル
撮影:ディーン・カンディ、ジム・ルーカス
音楽:ジョン・カーペンター、アラン・ハワース
編集:トッド・C・ラムゼイ
特殊効果撮影監督:ジェームズ・キャメロン、デニス・スコタク
マット画:ジェームズ・キャメロン、ボブ・スコタク
特殊効果:ロイ・アルボガスト
第1助監督:ラリー・J・フランコ
第2助監督:ジェフリー・チャーノフ

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