【タクシードライバー】ネタバレ.レビュー!アメリカ社会の闇と病み.1970年代.妖しいSexyさが好き!You talkin’ to me?

Lyraは小学生の時に、この映画を見たんだけど、、、(小学生は、こんな怖いのを見ちゃいけません! ( ̄^ ̄)ゞ ) 人間の狂気に触れた気がしながらも、子供ながらに「セクシーな映画だな」と納得もした映画でした。

納得とは、「アメリカってこんな国だよな」ってこと。そして、アメリカの裏側とマーティン・スコセッシの映像の素晴らしさが、映画のテーマ曲に乗っかって私の頭を掻き乱した映画です。

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『タクシードライバー』Taxi Driverは、1976年公開のアメリカ映画。

アメリカン・ニューシネマの先駆けとなる映画であり、映画界にその名を轟かせる事になるマーティン・スコセッシ & ロバート・デ・ニーロの黄金コンビが始まった第1作目の作品で

制作会社はコロムビア映画。

監督はマーティン・スコセッシ。

脚本はポール・シュレイダー。

主演はロバート・デ・ニーロ、

他に当時大人気だったスーパーモデルのシビル・シェパード、

ハーヴェイ・カイテル、
ジョディ・フォスター 、

アルバート・ブルックス など。

第29回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品。

公開日: 1976年9月18日 (日本)
監督: マーティン・スコセッシ
挿入歌: Theme From Taxi Driver
音楽: バーナード・ハーマン
衣装デザイン: ルース・モリー


1970年代のアメリカ、ニューヨーク。

ベトナム帰りの元海兵隊員トラヴィス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)はPTSDにより不眠症を患っていた。
小さなタクシー会社に採用されたトラヴィスはタクシードライバーとして街を走り始める。
盛り場の退廃ぶりに日々嫌悪を感じ、街中にいても暗い孤独のなかに沈むトラヴィスの神経は日々疲弊していく。
そんなある日、次期大統領候補パランタインの選挙事務所で見かけた女性ベッツィ(シビル・シェパード)に強く心魅かれたトラヴィスは彼女を強引にデートに誘い、生活も潤い始めるかと思っていたら、、。

 

心を病んだ1人のタクシードライバーの内面の狂気と澱を描いた物語ですが、

はっきり言ってロバート・デ・ニーロ気持ち悪いです!

ただの頭がおかしくなったストーカー!!

良くある社会不適合者の話なんだけど、やはり、スコセッシ!ただのストーカー社会不適合者の話では終わらせていません。

1970年代の映画に良くある、「社会の闇に個人が戦いを挑んで行き、あっけなく虫けらみたいに死んで行く、、、」という、お馴染みのアメリカンニューシネマ要素も盛り込みつつ、プラス一捻りさせてこの作品を唯一無二の存在にまでのし上げています。

トラヴィスはベトナム戦争でのPTSDにより不眠症を患い、普通に生活する事が困難に、、、おまけに、人付き合いが苦手。友人も1人も無く、眠れない夜をポルノ映画を観たり地下鉄に延々と揺られることでやり過ごしています。

「ああ、戦争に心をやられて上手く人生行かなくて可哀想」と見てる観客の同情を引き付けていた所に、トラヴィスさん、いきなり、タクシー会社に採用されドライバーとして働くことになります。

「身も心もクリーンだ 」がトラヴィスの面接での売り文句であり、多分、唯一の自慢なんだろう。

他に自慢できるような資格も学歴もない、、、それが、トラヴィスの最大のコンプレックスでもあるのが、学歴を言えずに困惑している姿からわかるんだよね。

そのコンプレックスと不眠症で、「1人自宅アパートにいるよりも働こう」と意欲的に、半ば、狂信的に、客が指示すれば、どんなに危険な場所でも、ニューヨークの至る所へ車を向け働くトラヴィス。

他のタクシードライバー仲間は、危険な場所には絶対に行かないし、黒人は絶対に車に乗せない、と固く決めているのに、トラヴィスは、イエローキャブを何処にでも飛ばしていく。

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トラヴィスが摩天楼の街で目にするのは、暴力と性欲と麻薬塗れの汚れた人間たち。
それらはトラヴィスの倫理観を激しく逸脱するゴミだめのヤカラ。
「トイレの水を流すようにそんな汚れた奴らやクソみたいな街を一掃させたい!」
映画で執拗に繰り返されるトラヴィスの独白。

トラヴィスは、頭の中に巣食って行く、クソみたいな汚いアメリカ社会と、弱い者を食い物にして汚い仕事に手を染める奴らに悩まされ、そして持病のPTSDにも蝕まれて、次第に人格崩壊して行く …。

元々、トラヴィスは、空気が読めないタイプだと思う。

友達が居ないと言うのも人付き合いが下手、というよりは、空気読めなくてヤバいことばかりして、嫌われてきたように思えてならない。

だって、女性の扱い方がオカシイ。映画館の売店の女の子の誘い方は、女性が苦手なタイプで、奥手かな?と思えるからまだ良いが、たまたま町で見つけて夢中になり、汚い世界に現れた天使として恋してしまうベッツィを、いきなりデートでポルノ映画館に連れて行くって頭おかしいとしか思えない!

デートの誘い方も仕事中の事務所に押し掛け。それまで、ストーカーして職場発見したわけだから、やばい奴。でも、これ、やる男はやるからありがち、としても、、、

真剣交際を望む本命の女性を、ポルノ映画に連れてったら、嫌われるとわからないからトラヴィスは、オカシイ。
真剣にベッツィに「怒った?」と聞いたりして、やっばトラヴィスて変人だわ。

多分、女知らないって以前に、空気読めないんだと思う。空気読めないのを通り越してやっぱ社会不適合者なんだわ。きっと、PTSDなんか関係なく頭がいかれてんだね。

そんな事をして、ベッツィに当然振られてしまうトラヴィス。
何をやっても上手く行かない自分。社会全体が自分を受け入れてくれないという憤りが膨らんで行き、それが自分を受け入れないベッツィに対する怒りと合わさって、トラヴィスの感情が爆発してしまいます。

トラヴィスの怒りの矛先は、受け入れてくれないアメリカ社会と、ベッツィへ向かい、それがやがてベッツィが崇拝して働いている選挙管理委員会の長、大統領候補のバランタインへ向かって行き、トラヴィスは、バランタイン暗殺計画に全ての時間を費やして行く事になります。

ここらへん、日本映画の沢田研二の映画にソックリですね!

あっちは爆弾作りに毎日毎日、時間を費やして行くし、こっちのトラヴィスは、毎日毎日、ピストルの改造や、いかにしてバランタイン暗殺を効率よく成功させるか?とピストルを体に仕込んで素早く取り出す装置作りをしちゃいます。

2人とも社会不適合だし、無口で、思い込みが激しく、人付き合いが苦手と言う、、、恐ろしいほどの類似性!

多分、元々、精神的に病んで居たかもしれないトラヴィスだけど、命がけで戦って帰ってきたのに、アメリカは戦争後に素晴らしくなったか?と言ったら全く逆で「糞溜めみたいな世界」でしょ?

戦争から帰って来ても、誰も褒めてくれないし、、、友人も家族もいない孤独な毎日。

何で俺ばかり?何でだ?

そうなってしまうのもわからなくもないです。

しかし、デニーロの演技は、演技じゃないリアルなのよね。

まだ、若い時だから、渋さや演技の深みとか全くないんだけれど、笑ってるのに目が笑ってなかったり、いきなり宙を見たり、予測不能な動きが私達見るものに恐怖と次に何をするだろうと言う期待感を与えます。

デニーロといえば、アドリブや即興の演技が有名ですが、この作品の中盤の「You talkin’ to me?」は、有名なセリフ。

シナリオには特に何もなかったのを「鏡を見て独り言を言うトラヴィス」という台本からデ・ニーロがアドリブで演じたんです。

デ・ニーロの青白い顔と狭い部屋で、鏡に向かって何度も何度も繰り返すYouTalkin’ to me?は、怖いです。ポン引きにも聞いてたし、、、怖っ!

マジで狂うってこんな感じ?と思わせてしまう迫力ある演技。

この気持ち悪い人になりきったデニーロが、初デニーロだったから、幼少時からしばらくLyraの中では、ロバート・デ・ニーロは、気持ち悪い人でしたわ!

でもね、、、今、大人になって見ると意外と嫌いじゃないんですよ。

ヤバっ!

私ったら変態好き?

最近のデニーロが良い人のじいさん役ばかりで、物足りないからかしら?

青白くてヒョロヒョロして、胸の真ん中に申し訳程度の胸毛が生えてる、若き日のデニーロが可愛く見えて来たから、「あらー大人になると好みが変わるのかしら?私ったらストライクゾーン広がったなっ!」と、我ながら感心しました! (  ←感心するな!)

ストライクゾーンと言えば、ポン引きスポーツを演じているハーヴェイ・カイテル!

彼が何故か、Lyraが大好きな中村達也に見えて仕方がないんですけど!

そっくり、ブランキー時代の達也!

中村達也 The Blankey Jet Cityのことを書いた記事は、こちらから!)

小指の爪が長くて、しかも赤いマニキュアして目玉の形の指輪していてキモすぎ!
唯一、この映画で救いがまだありそうな、ジョディ・フォスター演じる13歳のイージー(源氏名)、本名アイリスは、このポン引きのスポーツにタブラカされて、フッカーに自らなってしまっています。

2人がアイリスの部屋で、安っぽいポータブルレコードプレーヤーのレコードに合わせて踊るシーンが、赤く嫌らしくて気持ち悪いんですよね。オェー!ってなるこんな汚い男!

「俺に愛されるお前は世界一幸せ」とか、アイリスに言い聞かせながらダンスするんだけれど、口が上手いこんなクソみたいな奴に騙されるなんて、余程、家出した実家もヤバいんじゃないかとLyraは思ってんだよね!

「スポーツみたいなポン引きなんてトラヴィスにやられてせいせいしたわ!」と一瞬思ったけれど、、、そんな糞溜め野郎の口だけの優しさに騙さてるようで、実は全て解った上で、優しくしてほしいアイリスだとしたら、、、本当は実家が、暴力とかDV家族で抜け出して来たとしたら?、、、恐ろしいことになる!

映画のラストで、実家に帰り普通の学生生活を送る事になってハッピー!、、とはLyraには絶対、思えませんね!

トラヴィスには、「田舎がつまんないから家出した」と打ち明けていたアイリスだけど、本当は、実家から逃げて来たんだったとしたら、折角のトラヴィスの命がけの死闘は何だったの?って、これ又、いたたまれない気持ちになりましたよ。全て水の泡、、、。アメリカの闇だよね。

このアイリス役のジョディ・フォスターの演技力も眼を見張るものがあります!

アイリスの子供らしいけど、もう子供ではない、汚い物を全て知ってしまった上での無邪気さを、見事に堂々と演じ切っています!
デ・ニーロのアドリブにもしっかり食いついて演技したそうで、これは、もう生まれ持っての女優魂を持った怪物ですね。ジョディは!

インタビューで、昔はティーンエイジャーで若年層の俳優は、アメリカの映倫みたいな機関に審査されてOKが出ないと映画に出れなかったらしくて、、、当たり前だけど、こんな危ない内容の映画だから一回、出演禁止と言われたそうです。

でも、ジョディもジョディのお母さんも、パッとした役柄を演じたかったから、ゴリ押しで弁護士を雇って裁判で勝ってから、映画出演を可能にしたらしいので、かなりの映画に命をかけた親子だったみたいです。

そのゴリ押しが映画にも出てるんでしょう!

13歳の演技じゃないから!これ!

大女優の貫禄が既にもうありますから、そこらへんもチェックしたら映画がより面白いですよ!

デニーロを始め、このタクシードライバーに出ている演技派の曲者俳優たちを上手く動かせる、マーティン・スコセッシの演出は、見るものをリアルなアメリカ社会の闇の中に引き摺り込んで行きます!

そして、狂気に突っ走るトラヴィスの感情の強さに観客は、いつしか一緒に、暗殺計画とアイリスの救出作戦の惨劇に付き合わされる怖い羽目に陥るのです!

そして本当に怖いのは、ラストの何とも言えない皮肉な結果。
本当ならば、血なまぐさいピストルの戦いの後、出血多量で死んでもおかしくないのにトラヴィスは、コーマから生還し生き延びてしまいます。

生き延びたならば、普通、犯罪者、社会病質者として刑務所へ入れられる筈なのに、皮肉な事に、世間には麻薬売買の悪人から少女を命がけで救ったヒーローとして、マスコミに持て囃される存在になってしまいます!
トラヴィスが望んだ物とは全く違う結果。

トラヴィスが願った社会一掃計画の第1計画のバランタイン暗殺計画は失敗に終わったし、第2計画のアイリス救出とポン引き一味を皆殺しは成功したものの、最終的望みである一掃した先の自らの死をも叶わなかった、、、。

その宙ぶらりんのまま、彼は、又、タクシードライバーとして歪んだ心を抱えてニューヨークの街へと車を走らせて行きます。

何故か、憑き物が取れたかのような清々しい顔をして働くトラヴィス。トラヴィスの中の狂気は未だ成長を続けているか?それとも、惨劇を超えて人間として一皮向けたのか?

疑問を抱えたまま、映画は終わります。

バックミラーを一瞬、何かを発見したのか?鋭い視線を向けて動かすトラヴィス。

まだ、トラヴィスの中では何も終わっていないのでしょう、、、。

因みに、スコセッシ監督は、選挙事務所の前にたむろするヒッピー風男性と、タクシー乗客で「妻を寝取られたから殺しに行く!」と話していたキモい役をやっています。

やっぱ、これ、監督が1番オカシイって話な訳?と笑ったわ。

この映画のセクシーさって、命がけの役を、演技力が普通じゃないスーパーな俳優が命がけで演技していて、命がけで作り出す監督や製作者たちの命がけのパワーで作っているから醸し出される色気なんだと思う。

生と性って紙一重だと思うから。

そして、トラヴィスのモノローグや、映画の至る所で流れ出す、バーナード・ハーマンの音楽がセクシーさの要なんですね!

ラストのトラヴィスのタクシーに、わざと乗り込んで来たんだろうな〜、と思われるベッツィと、バックミラー越しに会話するトラヴィス。

その時に、ずーっとハーマンの曲が流れている、、、

「うわぁっ、何が始まるの?恋?」ってエロいムードになるのも、このメロディのせいなのよ。

NYの妖しいネオンサインや妖しい住人たちに、妖しいトラヴィスの独白のセリフ、、、そこに流れ出すバーナード・ハーマンのJAZZ。

トランペットってこんなにセクシーだったの?と思うくらい、メロディがNYの世界を語っています。

もしかしたら、このメロディのせいでオカシイ人間を描いた映画が、真逆のオシャレな雰囲気になっているのかもしれない、、、

 

1970年代の映画なのに、決して古くない!

色褪せない魅力がある「タクシードライバー」を見て、アメリカ社会の闇を知るのも良いのではないでしょうか?

もう、日本も同じ世界かもしれませんし、、、。

ラストの惨劇シーンって、あれ、去年、流行った、ストップモーション撮りだよね!

さすが、マーティン・スコセッシ!

時代を先取りし過ぎ!

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