【ローンレンジャー(2013)】ネタバレ あらすじ 感想。ラズベリー賞を総なめした理由 を話すよ、キモサベ! The Loneranger

ジョニー・デップ好きなLyraです。

彼の映画はIggy Pop見たさで前売り券を買った『Cry Baby クライベイビー』の時からリアルタイムで映画館で見て来ました。

が、この映画だけは見れなかった〜

映画好きの父は、西部劇が大好きだったので小さい時から膝の上に乗って一緒に見ていたから、この作品も思い出の一作(主演は違う人だが)。

だから、余計に「見なければいけない!」と思っていたのに〜。

先日やっとこさ、見れました。

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その映画は、『ローン・レンジャー』(The Lone Ranger)。

ジョージ・W・トレンドル(George W. Trendle)、フラン・ストライカー(Fran Striker)原作の、西部劇を題材としたラジオドラマが元。

その人気の凄さで、ラジオ→ テレビドラマ→ コミック → 映画化とアメリカでは誰もが知る超メジャーな作品です。

つまり、ゴア・ヴァービンスキー監督、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ配給による2013年公開のこの『ローンレンジャー』は、リバイバル作品になります。

主演は、アーミー・ハマーが主人公のジョン・リード=ローン・レンジャーで、ジョニー・デップがその相棒のインディアンで悪霊ハンターのトントを演じています。

あと、Lyraのお気に入り俳優の1人、William Fichtner (ウィリアム・フィクナー)がレイサム・コール役を怪演しているのにも注目!

彼は、プリズンブレイクやアルマゲドンにも出ているからご存知の方も多いでしょう。

ニヒルな刑事役、宇宙飛行士、クールな悪徳刑事など、何方かと言えば生真面目な役が多いのに、今回は、ゾンビみたいなキモい悪役をやってるから、誰も彼とは気がつかないでしょう。

ジョニーデップが出ていて、仲良しヘレナ・ボナムカーターもおもろい役で出ているし、脇役も演技派で固めていて、その上、ディズニー配給!

おまけに、大ヒットを何回も出したリバイバル作品と来たら、否が応でも「面白いに決まってる〜〜‼︎」と、期待が膨らむ。

しか〜し、映画を見た後、なんか肩透かしを食らってしまったような物足りなさを感じるのは、何故〜?

面白要素が沢山あるのに、、、

何でイマイチなのか?

その理由を考えてみましょう!

その前に、肝心の内容を知らないと考察出来ないので、いつものようにネタバレ全開のあらすじをお話しますね!

= ネタバレ・あらすじ =

ローンレンジャーの仮装をした少年が、1人見世物小屋に入って来た。そこには、老いたインディアンのトントが立っていた。

ジーッと見つめる子供に、トントは話しかけた。

「キモサベ。」そう話しかけると、トントは、自分の若い頃の昔話を少年に話し出した。

馬に乗った強盗団が、ジョン・リードの乗っている蒸気機関車を襲った。汽車に、護送中の自分たちのボス=ブッチ・キャヴェンディッシュが乗っており彼の逃亡を手伝うためだ。

その蒸気機関車には、この話をしている若い時のトントも乗っていた。

トントは、ブッチ・キャヴェンディッシュを復讐のために殺害しようとしていたのだ。

ジョン・リードは、ブッチを襲おうとしてるトントを止め2人は言い合いに。その時、強盗団が扉を開け入ってきてジョンとトントを縛りあげ、ブッチ・キャヴェンディッシュの奪還に成功。

そのまま車両は、脱線事故にあってしまったが、ジョンとトントは、縛られたままでも上手い具合に逃げ果せた。

ジョンは、数年振りに街に戻って来た。

出迎えに兄や兄嫁と兄の息子、そして街の有力者たちもいた。

ジョンの兄は、街の住民から信頼も高い有能なレンジャー。

先程、逃げた悪人達の親玉ブッチ・キャヴェンディッシュを捕縛したのも兄、ダンのお手柄だった。

逃走したブッチを再度捕まえる為、兄ダンと弟ジョン、そしてレンジャー仲間達は再度ブッチ一味を追った。

しかし、ジョン達のレンジャー仲間に裏切り者が1人いた。そいつがジョン達が来るルートを前もってブッチにバラしていた為に、待ち伏せされたレンジャー達は一斉射撃を受け全滅してしまった。

しかし、ジョンは奇跡的に生き延びた。

そこに、復讐のためにブッチを追って来たトントがやって来た。

トントは遺体から良さそうな金品を見つけては盗って自分の持ち物と交換して行く。

レンジャーたちの亡骸を墓を掘って埋めていきながら金品を交換するトント。

その中で、辛うじて息をして生きていたジョンを発見したトントは、自分の部族であるコマンチ族に伝わる風習により、昏睡状態のままのジョンを連れて行き櫓に乗せ、魔術で蘇生させた。

意識を取り戻したジョンは、昏睡状態になりながら兄のダンがキャヴェンディッシュに残酷に殺されているのを目撃していた為、兄の名誉と、仲間達の復讐の為に、キャヴェンディッシュ捕獲の旅をトントと共に続ける決心をした。

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悪霊ハンターのトントは、そのスピリチュアルな力で死の一歩手前のジョン救ったように、行く先々で不思議な力を使い情報を収集し、悪者らを見つけ出して行く。

一方、正義感の強いジョンは、目的を達成するためならどんな手段でも用いるトントが理解できず常に衝突する。

が、トントの勧めからマスクを装着し“ローン・レンジャー”として調査を続け徐々にブッチに近づいて行く 、、、 手下を見つけては、撃ち合いになりながら。

道すがら出会ったコマンチ族にトントの過去を聞くジョン。

幼いころ、トントは白人二人組に、安物の時計と交換で、自分達の部族しか知らない銀の鉱脈を教えてしまった。

その白人二人組はトントから聞いた鉱脈を独占するため、トントの部族を虐殺した。

自分のせいで部族全員が死んでしまったとトントは、自責の念にかられ、1人部族を抜け、カラスの死骸を守り神にし、憎っくき自分を騙した白人2人に復讐を誓ったのだ。彼は、こうして悪霊ハンターとなったのだった。

今、その鉱脈を、今度はブッチが狙っている。自分達の部族や、鉱山を守る為、トントはブッチを殺そうと追っているのである。

銀の鉱脈をキャヴェンディッシュが狙っているからと先回りし、悪戦苦闘しながらもキャヴェンディッシュを捕獲したジョンとトントの2人。

街に連れ帰ってキャヴェンディッシュを町長に明け渡す。

が、実は、その町長はキャヴェンディッシュの実の兄であり、幼いトントを騙しトントの部族を虐殺した白人二人組、、、それはこの町長と弟のキャヴェンディッシュだったのだ。

そこへ、コマンチ族が白人たちを襲ってきて戦争が起こりジョンたちはドサクサに紛れて逃げる。

そして、そのコマンチ族と白人たちの戦争が落ち着いた頃、白人達(町長たちもその中にいる)が鉄道の開通記念式典を行おうとしていた。

この鉄道を開通する為に、コマンチ族が邪魔となったから、白人達は部族を狙ったのだった。

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そこへ、姿を消していたジョンとトントが戻って来た。

ジョンは、兄に言われたローン・レンジャーとなりトントは、開通させないために橋に爆弾をしかけて全てを爆破させた。

彼らは橋を壊し、鉄道開通を阻止する事で復讐を成功させたのであった。

トントは部族全員の復讐を果たしジョンは正義を守り通した。

2人の復讐の旅は終わった。新しい街を作るために、兄の跡を継ぎ街を守ることを頼まれるジョン。

兄の妻であり初恋の相手であった幼馴染にも街にいてほしいと言われたが、平和を守るため、ローンレンジャーとして生きていくことをジョンは選ぶ。

ジョンは、ローンレンジャーとして荒野に走って旅立って行くのであった。

昔の話を少年に全て話した老いたトント。

彼もまた、見せ物小屋から旅立って行った。

=感想=

正義の味方が悪い奴らを倒し、街の平和を守る為に正義の味方として、自らの幸せを捨て旅立って行く〜、と言う勧善懲悪のストーリー。

それなのに、スッキリしないんです。

何故か?

それはモヤモヤするからです!

< モヤモヤポイント >

①まず、トントが老人で見せ物小屋に立っていた、というのがダメ。

何で立っていたのか、の言及が全くされていないから見てる観客は訳がわからない。

それこそ、ローンレンジャーの仮装をして小屋に来た客の子供と同じです。見せ物小屋にいて子供に昔の自分とキモサベのローンレンジャーの武勇伝を話すならば、その前にお前は何でそこにいるのか、を話せってことです。最後までその話はないために、モヤモヤ感が残ります。

②アーミー・ハマーのローンレンジャーが魅力なし

真面目な兄ちゃんなんだけど、それでズッコケて笑えるシーンが沢山あると楽しいんだが全くない。

笑いに持っていかないならば純愛物にすればまだマシだが、真面目すぎて兄貴の嫁と仲良くならない。

だから、ラブロマンスもない。

コメディなら、コメディ。

ラブロマンスなら、ラブロマンス。

真面目路線なら、ヒーロー物ときめりゃ良いのに!モヤモヤ。

③ジョニー・デップがつまらない

最近のジョニーは、昔の『演技力勝負』ではないから演技派を最初から私は求めていない。観客もそうであろう。

せめて、何時もの御笑い芸人のようなオーバー演技で笑わせてくれさえすれば良いのに、過剰メイクのせいで表情が掴めず笑えない。

ジョニー見たさなのに台詞少ない、表情解らぬじゃ、意味がなくてモヤモヤ。

④ヘレナボナム・カーターが出ているのに、活かされてない

ヘレナだけでなく、私の好きな俳優ウィリアムさえ生かしてくれないのは演技指導が悪いのか?

詰まらぬやり取りだけで肩透かし。

ジョニーとヘレナの絡みが少ないのがいけないのかもね?

ヘレナが、飲み屋のママ&散弾銃付きの足を持っているのラストにチラッと活躍するだけだし、ヘレナだけがクレイジーなキャラ映えしてるとは、余りに勿体無くてモヤモヤ。

⑤ローンレンジャーなのに、ローンレンジャーだけの力で街が助かったのか?が疑問。

トントとローンレンジャー2人のお陰だがイマイチ成果がわかりにくい。

あっ、正義が勝ったのね〜くらいの感動しかない。

登場人物が多すぎて話が散漫になったせいだ、これは。

主人公がローンレンジャーとトントだし、悪役も町長とその弟でしょう?

どっちもダブルキャストだから、どちらが主役?となるわけ。

善人、悪人は、西部劇はシンプルにしないと話が弱くなる!

モヤモヤしっぱなし!

⑥ラストが見せ物小屋

もう、狭い場所に戻す必要ないでしょ。

つぅか、初めから見せ物小屋は必要ない。

見せ物小屋で、老人トントが不思議な感じでどっか行って、それがラストとは何なの?

モヤモヤ。

大体、本当にトントだったの?違うお爺さんかもよ?モヤモヤ。

これは、「ローンレンジャー」。

正義の男。

キモサベは、【頼りになる男】の意味だから、勧善懲悪したローンレンジャーが荒野に旅立って大平原をバックに『THE END』で良いのだ!

西部劇はシンプルイズベスト!

モヤモヤは要らない。

 

まぁ、こんなに話がまとまらないとモヤモヤしっぱなしで映画を見た後、爽快感も、悲壮感も、笑いも、感動もないイマイチな感じになって当たり前です。

何回もリバイバルされ、フィギュアまで作られたり人気があったこの映画。

そのメジャーさから見るまでは信じられなかったけど、見たら2013年のラズベリー賞に選ばれたのもうなづける仕上がりでした。

2013年のラズベリー賞の

・最低作品賞に、

・最低男優賞にジョニー・デップ、

・前日譚・リメイク・続編賞、

・最低監督賞にゴア・ヴァービンスキー、

・最低脚本賞にジャスティン・ヘイス、

と見事にオールしました。

ある意味すごいね!

もし、モヤモヤしたいならば是非、一見の価値あり!

ラズベリー賞を総なめした映画ってそうそうないからね。

ジョニー・デップが好きな人ならば見ても良いけれど、、、

西部劇好きだから見たい、と言う人は、期待せずに見ましょう。

Lyraと同じウィリアム・フィクナー好きさんは、ガッカリするので覚悟して見てね〜〜!

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ローン・レンジャー
The Lone Ranger
監督 ゴア・ヴァービンスキー
脚本 ジャスティン・ヘイス
テッド・エリオット
テリー・ロッシオ
エリック・アーロンソン
原案 テッド・エリオット
テリー・ロッシオ
ジャスティン・ヘイス
原作 『ローン・レンジャー』
製作 ジェリー・ブラッカイマー
ゴア・ヴァービンスキー
製作総指揮 ジョニー・デップ
エリック・マクレオド
エリック・エレンボーゲン
テッド・エリオット
チャド・オマン
マイク・ステンソン
テリー・ロッシオ

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出演者 アーミー・ハマー
ジョニー・デップ
トム・ウィルキンソン
ヘレナ・ボナム=カーター
ウィリアム・フィクナー
ルース・ウィルソン
音楽 ハンス・ジマー
撮影 ボジャン・バゼリ
編集 ジェームズ・ヘイグッド
クレイグ・ウッド
製作会社 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
ジェリー・ブラッカイマー・フィルムズ
ブラインド・ウィンク
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開 アメリカ 2013年7月3日
日本2013年8月2日
上映時間 149分
製作国  アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 2億1500-5000万ドル
興行収入 $260,002,115
日本の旗 20.9億円

 

キャスト

役名 俳優 日本語吹替版
劇場公開版
ジョン・リード / ローン・レンジャー アーミー・ハマー 相原嵩明
トント(英語版) ジョニー・デップ 平田広明
レイサム・コール トム・ウィルキンソン 小川真司
レベッカ・リード ルース・ウィルソン 高橋理恵子
レッド・ハリントン ヘレナ・ボナム=カーター 朴璐美
ブッチ・キャヴェンディッシュ.ウィリアム・フィクナー 廣田行生
ダン・リード,ジェームズ・バッジ・デール 宮内敦士
ダニー・リード ブライアント・プリンス 山田瑛瑠
キャプテン・フラー バリー・ペッパー 檀臣幸
チーフ・ビッグ・ベア サギノー・グラント 大木民夫
ウィル メイソン・クック 青木柚
フランク ハリー・トレッダウェイ 下山吉光
ヘスース ホアキン・コシオ 田中英樹
コリンズ レオン・リッピー 宝亀克寿
ハバーマン スティーヴン・ルート をはり万造
バレット ジェームズ・フレイン 西凜太朗
ジョー グローヴァー・コールソン 楠見尚己
ピラー ルッツ・P・メンデス 井上祐子
レッド・ニー ギル・バーミンガム 乃村健次
ウェンデル JD・カラム 多田野曜平
レイ デイモン・ヘリマン 加藤拓二
スキニー マット・オリアリー 板野正輝
クレイトン ケヴィン・ウィギンズ 隈本吉成
ナヴァロ ロバート・ベイカー 荒井勇樹
マーティン チャド・ブラメット 田村真
ブレイン デイモン・カーニー 橘潤二
ホリス リュー・テンプル 石井隆夫
カイ フリーダ・フォー・シェン 高橋里枝
電信係 ジャック・アクセルロッド 関口篤
幼女 デイヴィン・ラグルス 川島悠美
牧師 クリストファー・ヘイゲン 佐々健太
ヘレン ティナ・パーカー 喜代原まり
レンジャー マシュー・ページ 桂一雅

吹替版
翻訳:平田勝茂
演出:鍛治谷功
録音:上村利秋
調整:The Walt Disney Studios – Burbank, CA
制作担当:村井亨子(スタジオ・エコー)
録音制作:スタジオ・エコー
制作監修:山本千絵子
制作総指揮:佐藤淳
日本語版製作:DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL, INC.

=そのほかのエピソード=

●映画のトーンは『マスク・オブ・ゾロ』に似ており、コロンビア映画はトントを女好きに再設定することを提案した。

●1933年にラジオドラマが放送されて以来、アメリカン・コミックス化、テレビドラマ化(1949年-1958年、全221話)、映画化(1956年・1958年・1981年・2013年)もされた。

米国においてはラジオのオリジナル版が抜群の知名度を誇っており、テレビ化された後も並行してラジオ版が製作され続けた。ラジオ版の終了は1954年で総エピソードは全2,956話におよび、その後も1960年頃まで再放送されていた。後述の名台詞も起源は全てラジオ版である。なお、ラジオ版はほぼ全てのエピソードが良い状態で保存されている。

●日本ではテレビドラマ版が1958年からテレビ放映され、黒い仮面をつけた主人公が白馬にまたがった姿が、アメリカ版『鞍馬天狗』として親しまれた。ネット系列はKRT系列(1958年)→フジテレビ系列(1959年~1963年)。カバヤ食品の一社提供。ただし、KRテレビで放映されたときは百貨店の伊勢丹が一社提供していた。また「週刊少年サンデー」(小学館)創刊と同時に、山田常夫によってコミカライズ版が連載された。

●主人公ローン・レンジャーが愛馬シルバーを発進させる時の掛け声「ハイヨー、シルバー!(Hi-yo Silver)」や、相棒であるステレオタイプなインディアンの青年・トントの台詞「白人嘘つき。インディアン嘘つかない」(原語はHonest Injunであり、マーク・トウェインの小説にも見られる表現で米国の古い慣用句。これを訳す際に敢えて助詞を省く等、日本人が滑稽にアレンジしたもの。米国では特記すべき台詞とは見なされていない)、トントが主人公を呼ぶ言葉の「キモサベ」などの流行語を生んだ。ローンレンジャーとトントは、オーロラ社からプラモデルが発売されるほどの人気を得た。

●「キモサベ」の意味
原作者フラン・ストライカーが使った「頼りになる相棒=キモサベ (Ke-mo sah-bee) 」という言葉は、現代アメリカでは「kemo sabe」の綴りで非常にポピュラーな言葉となっている。しかし、ポタワトミ語だとされているこの言葉は、実際は由来がよくわかっていない。

ストライカーは、これを採用したのはラジオ・ドラマのディレクターのジム・ジュエルで、彼の義父が設立したキャンプ場の名として看板に「キモサベ」とあり、下に英語で“信頼できる奴”と書いてあったので、ジュエルがこれを採用したとしている。

またもう一方で、アメリカ民族学局(BAE)やスミソニアン協会は、これを南西部のテワ族インディアンの言葉だとしていて、ヤヴァパイ族の言葉で「kema」と「Sabe」は「友人」と「アパッチ族」を意味するとしている。

また、ジョン・D.ニコルズが編纂した「オジブワ族辞典」では、「Giimoozaabi(彼は覗き見する)」が語源だと説明している。サンディエゴ州立大学の言語学准教授ロブ・マルーフは、この「Giimoozaabi」が「潜入する人」、つまり「斥候」を意味するとしている。

 

●インディアンと「トント」
「トント」はスペイン語で「間抜け」という意味だが、原作者はトントは五大湖地方のインディアン部族、ポタワトミ族の出身であり、こちらの「トント」は彼らの言葉で「野性の人」という言葉だと主張している。

ちなみに、ポタワトミ族は北東部の部族で、19世紀に部族の一部がオクラホマ州に強制移住された歴史があるが、主人公が活躍する南西部とは直接縁はない。また、アパッチ族には「トント」と呼ばれている支族があるが、こちらはスペイン語の「間抜け」が由来である。

トントはインディアンが異言語部族間で使った「指言葉」を全く使用せず、どんな部族のインディアンとも白人とも通じる言語能力を持っている。

インディアンの社会では、古くから「ポカホンタス」と併せて、「トント」は「白人にこびへつらうインディアン」の代名詞・蔑称として使われている。彼らの笑い話には、こんなものがある。

インディアン戦士群に包囲され、絶体絶命となったローン・レンジャーはトントにこう聞いた。「相棒よ、俺らはどうすればいいだろう? (“Now what do we do?”)」 トントはこう答えた。 「おい白人、“俺ら”ってどういう意味かね?(=“ピンチなのはお前だけだ”の意)(“What do you mean “WE”, White Man?”)」

= テレビドラマ =

主題曲:「ウィリアム・テル序曲」(ジョアキーノ・ロッシーニ)
ローン・レンジャー:クレイトン・ムーア(Clayton Moore)
トント:ジェイ・シルヴァーヒールス(Jay Silverheels、彼はモホーク族である)

= 映画 =

①西部の王者 ローン・レンヂャー
1956年製作。テレビドラマ版の映画化。
配給:ワーナー・ブラザース
上映時間:86分
監督:スチュアート・ヘイスラー
ローン・レンジャー:クレイトン・ムーア
トント:ジェイ・シルヴァーヒールス
内容:有力者キルゴアがインディアン居留区にある銀山を手中に収めるためインディアンとの戦争を仕組むが、ローン・レンジャーとトントの活躍により阻まれる。

②ローン・レンジャー 失われた黄金郷
1958年製作。劇場未公開。テレビドラマ版の映画化第2弾。
配給:ユナイテッド・アーティスツ
上映時間:82分
監督:ロバート・シャーファー、エリック・フリィーワルド
ローン・レンジャー:クレイトン・ムーア
トント:ジェイ・シルヴァーヒールス
内容:サンドリアという土地が舞台。ヘンダーソン夫人は黄金郷(実は金で出来た鍾乳洞)の伝説にとり憑かれ、場所を記したペンダントを入手するため悪事を重ねるが、ローン・レンジャーとトントの活躍により阻まれる。なお劇中でローン・レンジャーは一度覆面を外している。

③ローン・レンジャー (3作目)
詳細は「ローン・レンジャー (1981年の映画)」を参照
監督:ウィリアム・A・フレイカー
ローン・レンジャー:クリントン・スピルスベリー
トント:マイケル・ホース

④ローン・レンジャー (4作目)
詳細は「ローン・レンジャー (2013年の映画)」
監督:ゴア・ヴァービンスキー
ローン・レンジャー:アーミー・ハマー
トント:ジョニー・デップ

 

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