
うわ〜また無力感ハンパない映画を再度見てもうた〜!
この手の見た後やるせなくなるタイプの映画は?と聞かれてよく【ミスト】や【ダンサーインザダーク】や【パンズ・ラビリンス】などを上げて来たLyraですが、またもや無慈悲過ぎてどうしょうもなくなってしまう映画をまた見たくなって見てしまいした。
その映画は、【邪悪なるもの】(原題 Cuando acecha la maldad 英語 When Evil Lurks )です。
ホラー映画としては地味な雰囲気で始まりますが,見ていくうちにハラハラさせられてしまう物語。ゴアもありつつ終末の世界観も味わえる作品です。
ハマる人は、この世界観クセになりますよ。
【邪悪なるもの】とは
今日Lyraが,紹介するのは、アルゼンチンとアメリカの合作映画【邪悪なるもの】です。原作タイトル 『Cuando acecha la maldad 』、英語では『When Evil Lurks』。
デミアン・ルニャが脚本・監督をした映画で、『When Evil Lurks』として2023年9月16日にトロント国際映画祭(TIFF)でプレミア上映されました。
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10月6日には、IFCフィルムズによって劇場公開され、10月27日にストリーミングサービスShudderでデビュー。
シッチェス・カタロニア国際映画祭 最優秀長編映画賞受賞。
全世界を打ちのめし、そして絶賛された 救いなき絶望のオカルト・ホラーです。
アルゼンチンと米国の国際共同製作で、この映画にはエセキエル・ロドリゲス、デミアン・サロモン、ルイス・ジンブロウスキー、シルビア・サバテル、マルセロ・ミノーが出演しています。
概要
教会が終わった、神なき世界。悪魔に魂を乗っ取られ、体が腐敗していく者ー “悪魔憑ぎ”の存在が人々の生活に暗い影を落としていた。”悪魔憑き”は処理人によって適切に処理されなければならず、古くから伝わる7つのルールを守らなければ、悪魔の力がまるで伝染病のように広がって人々を蝕み、やがてこの世の終わりが到来するという。
ある日、ペドロとジミーの兄弟は村の外れに変死体を発見し、さらには近隣の住民が家族に出た”悪魔憑き”を隠していることに気付く。
二人は7つのルールに従って慎重に対処しようとするが、伝承を言じない人々の無謀な行動によってタブーは犯され、周囲は”悪魔憑き”で溢れかえってしまうのだった。
最愛の家族を守るべく、ペドロとジミーは感染から逃れようと姿の見えない悪が蔓延るアルゼンチンを途方もなく彷徨い始めるが…。
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【邪悪なるもの】あらすじ

夜中に家から窓の外を見る兄弟。外で真っ暗な中、農地近くの森で銃声を聞く。撃ち合っているようだった。
翌朝、音がした森に行くとペドロとジェイミーの兄弟は、上半身と下半身が裂かれていて内臓をえぐり取られた死体を発見する。
その死体のそばには、金属性の何かの道具みたいなもののセットがあった。
その足跡を辿り、近くの小屋へと辿り着く兄弟。そこには、マリア・エレナという老女と、彼女の二人の息子、ウリエルとエドゥアルドが隠れていた。
ウリエルは「腐りきった」存在、つまり未だ生まれていない悪魔に取り憑かれ、肉体の誕生を待つ存在となっていた。
そしてマリアが取り憑かれているウリエルを殺してくれる専門の人「掃除屋」を一年半前から政府に要請していたのだが,一向に現れず、やっと「そちらに送る」ことになっていたのに、まだ来ないと話した。
その話から、さっきの死体は「掃除屋」のものであり、ウリエルを殺し、悪魔が他者に取り憑く前に祓う仕事に就いていた者だったとわかる。
警察に言いにいくと、当局は悪魔は自分たちの問題ではないと片付け相手にしない。話自体信じてくれないのだ。
地主のルイスに事情を話しにいくとルイスは、ウリエルを小屋から連れ出し、土地から追い出そうと提案する。
そして関係ないペドロとジェイミーに手伝わせ、ぶくぶく太って変な汁を出しているウリエルをシーツに乗せて家から引き摺り出しトラックの荷台に寝かせた。
ルイス、ペドロ,ジェイミーの3人は、数百キロを運転した後、男たちはウリエルが途中でトラックから落ちたことに気づく。彼を見つけられなかったルイスは、一件落着を宣言し、家に戻る。
翌朝、ルイスのヤギの一頭が悪魔に取り憑かれてしまう。
ルイスの妻ヒメナは、「銃を使うのは感染を広げるだけだからやめて!」と警告する。

だが、ルイスはショットガンでヤギを撃ってしまった。
そして取り憑かれたヒメナは持ち出していた斧でルイスを殺害し、自分も斧で頭を打ちつけ、自殺してしまう。

その夜、ウリエルの弟のエドゥアルドが、ペドロとジェイミーの家のドアをノックする。
男たちがウリエルを連れ去った後、エドゥアルドの母親は姿を消し、地主に会いに行くとルイスとヒメナは死体となっていたと話した。
一人で小屋に戻るのが怖くなったエドゥアルドは、男たちに一晩泊めてくれるよう懇願する。
ペドロは,エドゥアルドに「持ってる拳銃を渡せ」と言うと日の出とともに出発することを条件に、エドゥアルドを小屋で寝かせてやった。
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翌朝、ジェイミーとペドロは安全のため家族と共に町を出る計画を立てる。
ジェイミーは母サラを連れて、ペドロは元妻サブリナと二人の子供、サンティーノとジャイールのもとへ向かう。サブリナは新夫レオナルドと暮らしている。
中に入れてくれと玄関でいうペドロに抵抗していたレオナルドだったが、パニック状態のペドロの激しい口調にレオナルドが怯んだ隙に、ペドロが家に入った。
そしてウリエルを遠くへ連れ出した時の服が汚染されてると感じたペドロが、レオナルドに服を貸してくれと言いながら脱ぎ出した。
それを2階から降りて来たサブリナが見て、元夫ペドロに接近禁止令を出しているのに家の中にいて,おまけに裸であるペドロに向かって「出てけ!」と狂ったように叫ぶ。
大人たちが言い合っている中、ヴィッキーとサンティーノは、親達を見ていた。
すると子供達と一緒にいるペドロの悪魔にまみれた服を舐めていた飼い犬が、隣にいるレオナルドとサブリナの娘ヴィッキーに噛みついた。そしてヴィッキーの首に噛みつきながら振り回し、外へ引きずり出す。

次男は泣き叫び、サブリナも喚き散らす中、レオナルドは犬と連れされた娘を車で追いかける。ペドロは、心配になり走って後を追いかける。途中パトカーに乗った警官2人に犬と女の子を見なかったか、女の子は犬に連れ去られたが,その犬を見つけたら絶対に殺してはいけないと話す。だが警官達は信じない。それにペドロをまた疑い,逆に接近禁止令が出てるのにペドロがサブリナの娘のことを話しているので逮捕しそうな勢いだった。
警察を置いてペドロは心配でレオナルドを探しにまた走る。
犬と対面した場合レオナルドに「取り憑かれた犬を殺してはダメだ」と警告した。だがペドロの警告を無視してレオナルドは、犬を撃ってしまった。
それを見たペドロは,次に何が起こるか予想出来てしまい、レオナルドに話しかけずに急いでサブリナの元へ戻り家族を連れてこの場から逃げようとする。
だが、家に戻ると玄関先に死んだはずのヴィッキーが戻ってきていることに気づく。そしてあんな悲惨な状態だったのに普通の姿に戻っている。そんなヴィッキーを見てサブリナは喜び抱きしめた。
ペドロは、ヴィッキーがおかしいと察知し、すぐに家に入ると息子達を呼び寄せ車を盗み逃げ出す事にした。息子たちと共に走り去る時、悪魔に取り憑かれたレオナルドがトラックでサブリナとヴィッキーに衝突した。呆然としてるレオナルドが血を流しながらふと見ると母が死んだのにヴィッキーは喜び勇んで踊っていた。
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ペドロは、ジェイミーと一緒に母サラを迎えに行き、家族は町を出る。
車で移動中、死んだはずのサブリナから母の携帯電話にかかって来た。
母から携帯を受け取り恐る恐るペドロが出ると「私の息子を返して!」と叫ぶ。ペドロが言うことを聞かないと「取り返しにいく!」と言いだしペドロに隠れて浮気をいつもしていたことを話しだすサブリナ。怒ったペドロは、電話を切り携帯電話を踏み潰した。
彼らは、元清掃員でジェイミーの知り合いでもあるミルタと会い、一晩泊まるよう誘われる。

ミルタは、憑依の兆候が見られるジャイールのことをジェイミーに警告する。ミルタはジェイミーに、「ジャイールは、自閉症だからよ。悪魔は自閉症の人に憑依出来ない傾向があるの。心を読めないからよ」と一蹴する。
ミルタは、悪魔が完全に誕生するのを防ぐには、適切な儀式を行ってウリエルを探し出し、殺さなければならないと説明した。
その夜、サブリナがやって来て、サンティーノを誘拐する。

ジェイミーは彼女を追いかけ、ミルタとペドロはミルタのトラックでウリエルを捜索することに。
ジェイミーがサブリナにたどり着くと、彼女はサンティーノを殺し、その脳みそを食べていた。
激怒したジェイミーはサブリナを追い詰め、車で引いて木に押し付けた。サラは血だらけになりながら体を反転させ後ろに向き直ると「あんたは,私に惚れてたでしょう?」と嘲笑う。
ジェイミーは車で挟み込んだままサブリナを放置。

その頃,ミルタの家でペドロ達を待っていた母とジャイール。
ペドロ達の母が、ネックレスを弄りながら不安そうに息子達を待っているといきなり窓が開き,外からジャイールが入って来た。
何故だか1人で歩けなかったジェイミーが、介助なしで歩き始め、声が出なくなってたのに支障なく話せるようになっていて「外が寒いから凍えちゃいそう。何が温かいものを作ってよ,紅茶とか」と言うと祖母の肩に手を置いた。
母は、凍りついたように恐怖で動けなくなる。
一方ペドロとミルタの捜索の方は,電気をつけずに車に乗りながら探していた。するとミルタが止まるように言い「あの学校にいるはずだ」と言った。
ペドロとミルタが学校に入ると、取り憑かれた子供たちでいっぱいの教室にたどり着く。彼らは近くの大人を皆殺しにし、ウリエルを隠そうとしていた。

ウリエルは講堂の舞台の下に隠されており、ミルタが悪魔祓いの儀式の準備をしている間にペドロは彼を掘り出そうとする。
その間にも取り憑かれた子供達が,「ウリエルは他の場所にいる」や「そんなんじゃ掘り起こせないから隣の部屋に行けば消防斧なあるよ」と言って2人の邪魔をした。
ミルタは、「言う事を聞いちゃダメよ!時間がないわ!早くウリエルを出して!」と大声でペドロに叫んだ。
だがペドロは我慢できなくなり、近くにあった消防斧を使えばウリエルをバラバラにして動かせるかもしれないと思い、隣室の事務室に駆け込むが、子供たちに閉じ込められてしまう。
「行かないで〜!私を1人しないで!」と叫ぶミルタ。
ペドロが夢中になっている間に、子供たちはミルタを殺し、彼女の道具を解体してしまった。ドアが開かず中々中に入れないペドロ。
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講堂に戻った時にはミルタを助けるには遅すぎたため、怒ったペドロは、自分の名を呼ぶウリエルを殴り殺す。すると、ウリエルの死体から悪魔が生まれ、裸で血まみれの子供の姿が現れた。
生まれた悪魔はペドロを嘲り、彼の額に血の跡を残して命は奪わずに開かれた扉から外界へと歩いていく。
朝日を浴びて血まみれの悪魔が歩いて行くと子供たちも彼に続いて去っていく。

ペドロとジェイミーはミルタの家で再会。ジャイールを迎えて家に戻る。
家の中が大丈夫か点検しているジェイミー。すると憑りつかれたエドゥアルドを見つけた。彼はまだここにいたのだ。彼は4日前にウクエルを片付けに来た掃除屋を殺して食べたことを話し出した。彼は自分の母親にも同じことをしており、「あなたのお母さんも(サラも)同じような運命を辿ったよ」とほのめかす。
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家の中で、ペドロはジャイールにアイスクリームを食べさせる。しかし、ジャイルは窒息しそうになってしまう。
ペドロは、口に入り込んで刺さったままのスプーンをグイッと取ってやると、何か血の塊が口から出て来た。
気になり引っ張り出していくと、ジャイルの口の中からサラの髪の毛とネックレスが次々出て来て、ジャイルはそれを吐き出す。そしてこちらをギロっと見た。

ペドロはフラフラと外に出ると倒れ込み、泣き叫ぶ。
そこへ弟ジェイミーもやって来て,2人は抱き合い泣いた。
ペドロの泣き叫ぶ声がこの世界に響いた。
Lyraの感想&解説

「しきたりやルールを守らないととんでもない事になるよ〜!」と脅されてるような、愚かな人間は決められたルールを守らないから気をつけろと警告しているような映画です。
『When Evil Lurks 』が英語タイトルですが、これは「悪魔が潜むとき」と言う意味で、この物語の次々起きる惨劇を言い表しているのです。因みに、スペイン語タイトルである【Cuando acecha la maldad】も『悪が潜むとき』と言う意味になります。
日本語タイトルが【邪悪なるもの】という悪魔の存在を言っているタイトルになってますが、英語版、スペイン語版のどちらのタイトルも、憑依されてる間、悪魔が人間の体に隠れている行為を言い表しているのが面白いですね。
オーソドックスなホラー
この【邪悪なるもの】は、デミアン・ルニャが脚本・監督を務めた 2023 年の超常現象ホラー映画ですが、最近の映画なのにかなりオーソドックスな悪魔を扱った映画です。

悪魔系の映画は、宗教的概念に基づいてストーリーが進むために、昔からの伝承やしきたりを重要視しないとお話しが進行しないために古めかしくなるのは仕方ないのです。
でも、この作品は、教会が終わった世界。教会が終わったということは、信仰が終わった=神の存在がなくなる、或いは存在が信じられなくなった世界がこの映画の舞台なので、現在の宗教が様々存在する地球の状態からしたら、まだ見ぬ世界であり、近未来的な立ち位置になるので,もう少し未来な要素があっても良かったのでは?とも感じました。
詳しくあらすじに書いたのでストーリーの流れについてはそちらを再確認して頂くとして、この舞台についてですが、なぜこのような異常な世界になったかは言及されていません。一切説明なしで物語は進行して行きます。
ただ「教会は終わったんだよ!」とペドロが祈ろうとしたウリエルの母親に怒鳴ってやめさせただけ。
このセリフで映画館にいる観客は、教会が終わった世界なのだと知るのですね。
つまり、神の存在が信じられなくなり祈りも捧げられなくなったから、悪魔が人間に取り付くようになったのを意味しているのです。
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掃除屋
でも悪魔を取り払うのは、素人の人間ではダメで「掃除屋」と呼ばれる専門的道具を持ち正しい使い方やしきたりを知っている者だけが悪魔を殺せるのです。劇中では,ミルタがその仕事をしていました。

その掃除屋が数が少なく、おまけに待ち伏せされて殺されるケースが多発したために、ミルタみたいに掃除屋をやめて人里離れた場所に非難してひっそり暮らしている人が増えたようです。だから,掃除屋の数が減り、ウリエルみたいに警察に通報してから一年半も経ってから掃除屋が来るという遅延が起きてしまうのでしょうね。
しきたりやルール
助けてくれる人もいないし,警察も動かない。国民を守るべき政府も悪魔つきの状態を放ったままで、この世界の人間は、自衛するしかないという無法地帯。
自衛はどうするか?= それが昔からのしきたりに従うと言うことなのです。
そのしきたりは、この地に伝わる歌で説明してあり、この歌に関連した7つのルールを守る、ということなのです。悪魔に操られないためのルールなのですが、何故か「昔から有名な歌」というのに、ペドロ達も知らないみたいだから不思議。それに、歌を学校などで1番教わるはずのペドロの次男サンティーノすら全く知らないのです。
もちろん次男は7つのルールも知りません。
それをペドロとジェイミーの母、サンティーノにとっては祖母が、説明している歌を歌ってやった後にルールを教えてやりました。7つのルールは,この記事のラストに書いておきますね。
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無知でルール守らない人間たち
異常におかしい点がいくつもある映画なので、いつものLyraのツッコミポイントをやるつもりではなかったのですが、解説してるうちにこうやって書いてしまっていますが(笑)、例えば、悪魔つきを皆知ってるはずなのに,ペドロ達が「いた!」と言ってるのに誰も信じない、というのがおかしい。
ルイスもウルエルを見るまでペドロ達の言うことを信じていなかったから…。まあ、ペドロが誰にも信用されていないことも要因ですが。
皆が「嘘だろ?」とか「こんなド田舎に出るわけがない」と口を合わせて誰も兄弟の言うことを信じません。
まあ,町の人々がそうだとしても、本来市民を助けたり、この世界では悪魔つきが出たら政府に報告し掃除屋を呼ぶ立場の警察ですら、ペドロ達の話を疑い、対応すらしません。「また逮捕するぞ」と言うだけ。
誰も信じない理由の一つにペドロが,数年前に何かをやらかして(殺人を犯したと噂されてる)警察のお世話になったこともあるのでしょう。だけど、それにしてもあんなにパニックになっていて、ペドロだけでなく弟のジェイミーまでも慌てふためいているのだから,警察ならば「何か異様なことは、実際にあったようだな?」くらいは感じて現場に行くはずですからあの対応なしは、かなり変です。
警察は、悪魔つきが出た場合、感染したら嫌だから現場には行かないのかもしれませんが,あれは違和感ありますね。この点は、警察が警察自体のルール(市民を守る)を守っていないことになります。
この映画のキャラクター達は、本当にルールを守らなきゃいけないというのに守りゃしない(笑)。いやんなっちゃいますね(笑)。
先程,紹介した7つのルールの中に「悪魔を名前で呼んではダメ」というのがあります。
次男のサンティアーノが悪魔つきのこと自体知らなくて祖母サラが、教えていたのですが、「名前ってなあに?」なんて可愛い孫が聞いて来たせいで、名前を言っちゃうんですよ!サラのバカ!
「ルシフェルでしょう、あとアズラエルにベルゼブル…」って感じでニコニコしながら話してるんですが、それを聞いてペドロが「やめろ!」と言って母の話をやめさせたのですが、(ペドロは時々口うるさい。役立たずなのに!)あの車の中、誰もが予想していなかったから仕方ないと言えばそうだし、運が悪いと言うか、隣に座ってる自閉症の長男ジャイルが悪魔つきだったから大変!
婆ちゃんが弟に説明しているのを全部聞いていて、ジャイルが「アズラエル,アズラエル」と何回も何回も呟き出しちゃう!
「ヒー!もうあれジャイルの中にいる悪魔の名前なのかも!」と感じた途端、黙って見ていられませんでしたね、ゾワゾワします。
ウーとしか言わない、普段喋らないジャイルが、いきなり名前を繰り返し言い出して不気味すぎる。怖いわ〜。
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名前を教えてる祖母にサンティアーノが「おばあちゃん,名前を言っちゃってるよ」と突っ込んで2人とも笑っていましたが、ほんとアホか?って感じ。お婆ちゃんも悪魔の名前を言っちゃってるという〜もう笑うしかない状態。
ルールも何もあったもんじゃない!
この映画見てると、無知な奴は,無知だから名前を呼んだり撃ってはいけないのに撃ちまくったりしてルールを守らないし、しきたりを知ってる人は,知ってる人で知識はある筈なのにうっかりしきたりを破ってしまう。
もう人間のダメダメさが露呈されている映画過ぎて、「これだから人間は滅びるんだ」と改めて痛感してしまいました。
人間の愚かさが悪魔を呼び,人間の恐怖を悪魔は感知してついてくる。
自堕落に生きずに自分勝手をやめて、まともな生き方をしろ、と忠告されているようにも感じてしまいました。
気持ち悪さ、てんこ盛り
この映画は,オカルトホラーのカテゴリーなので怖い映画ではありますが、怖いより気持ち悪いが上な映画でもあります。気持ち悪いのをあげると、まず…
①ゴア
冒頭で兄弟が夜中に銃声がした場所に行くと上半身下半身がちぎられてる死体が出て来たり、ウリエルが巨体で膨れてキモイ黄色の汁出してたり、斧で頭カチ割り、脳みそ貪りなど血液量も高いので、ゴア好きは,よしよし、と満足するかも?

②ヤギのシーン
地主のルイスが、悪魔が取り憑いたヤギをショットガンで撃とうと構えていて、撃つか迷っていると、ヤギが自ら近づいて銃口を自分の頭にくっつけるシーンが不気味。

ヤギの目つきがもう人間を呪ってるみたいに見えて来て怖いし、ルイスに「撃ったらだめよ!」と喚き散らしてる妻がキモイ。
大体,夫をやめさせようとしてるのに何故,わざわざ斧を取りに行く?おかしいだろ!とツッコンでると案の定、メェー、て鳴かれてびびって撃ってしまったルイスの頭部に斧を振り下ろしてしまう妻。
妻はその後、その斧で何度も自分を痛めつけて死んでしまうし、初めから斧を持つなよ,とツッコンでしまいました。ww
そういえば,ウリエルは部屋から一歩も出てないのにルイスの妻が妊娠してるのを知っていて、ルイスに「俺がお前の身重の妻を殺しにいくのを止めるために俺を殺せ」なんて言っていました。
初めから地主であるこの2人を消す計画だったのでしょう。まんまと悪魔の計画は成功してしまったのです。
③キモイ女性陣
ミルタやペドロ達の母は、良い人達で落ちつきがある普通の女性です。が、何故か元妻だったサブリナやルイスの死んだ妻など出てくる女性達がキモ過ぎる。そしてとにかくうるさい。
サブリナが喚き散らしてうるさいのが本当に嫌で嫌でたまりませんでした。ラストどうなるか知りたいから見たって感じ。
始終喚き散らし言うことを全くきかない。この人が,まともだったらね〜。「逃げるぞ,危険だ」と言っているペドロに、数年前にペドロが息子から逃げ出した話など喚き散らし、いかに不甲斐ない男かを言い、それとともに色々と別れた理由を話すのが見ていてイライラしてしまうし、言い方や顔が気持ち悪くなります。
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コヤツが言うことをさっさと聞いていたら、犬にヴィッキーはやられなかったかもしれないし、夫も死なずに済んだしあんな風にはならなかったでしょうね。もしかしたら次男も殺さずにすんだかも?
本当、人の話を聞かない煩い人はダメってことです。
劇中ではこの夫婦関係が壊れた理由は言及されていません。言い合いしてる時、ペドロが長男の自閉症の世話などを嫌い、逃げ出したせいで頭に来たサブリナが、ペドロが人殺しとか暴力男と言ったホラを拭いてまわって噂を流し、警察や街の人達を信じさせ、ペドロに子供達や自分の家に近づかないように接近禁止令を警察らに頼んで発令してしまったせいで、別れたもよう…。サブリナはペドロを激しく憎んでいます。
弟のジェイミーがミルタに「兄貴に子供達を取られたくないから嘘をついてんだよ,あの女」と言っていたのは、本当でしょう。
ルイスの喚くうるさい妻と同じくサブリナも、うるさくて喚き、人の話を聞かない頭の弱さと気持ち悪さを持つ人物。この2人とも同じように悪魔に容易く取り憑かれて残虐性を表し自ら死んでいきます。
サブリナが息子達を取り戻そうと、殺されたのに追いかけて来たのは,ペドロが息子達を攫われそうだと恐怖心を抱いていたからです。
この点は、サブリナではなく悪魔が体を乗っとっているのでこのアホ女ではなく悪魔の思考で動いているのです。
「息子たちを失う」と言うペドロの恐怖心が強いため,サブリナはそこに付け入るように追いかけて来たのです。
そのペドロの息子達への執着人(父性愛)が強いため、ミルタは、つけ入れられると読み、ペドロにはサブリナを追いかけさせずに弟ジェイミーに任せたのです。
サブリナは結局サンティアーノを奪い、我が子なのに脳みそを食って歩いていました。この場面も気持ち悪くて好きな人はハマるでしょう。

④子供達
女性達が気持ち悪いのは、お分かりいただけたと思いますが、劇中の子供たちがまた気持ち悪くずる賢いのが不気味。ペドロの子のサンティアーノは,普通の無邪気な子なので問題ないのですが,それ以外の子供達が気持ち悪くてたまりません。
サンティアーノの妹ヴィッキーは、可愛らしい女の子。ですが飼い犬に噛まれて死んでしまいました。それなのに無傷で家に戻って来ました。そして不気味に笑い、無事に戻って来て喜ぶ母に向かって「もう直ぐパパがママを殺しに来るよ。バーンてなるの」と言って笑い嬉しそうに跳ねます。

え?なんて母が驚くとしばらくしてルイスが車で戻って来て、サブリナとヴィッキーを車で轢いてしまいました。それなのにヴィッキーは、また無傷で、血を流すルイスが見るとピョンピョン跳ねて喜んでいるのです。
これがもう気持ち悪いのなんのって。
そして真夜中の真っ暗な学校に黙って座っている生徒たちも気持ち悪い。顔を臭くならないように石灰で塗っているので青白くパンダのような隈が不気味。
ミルタとペドロをウリエルに近づけないように必死に嘘をつきまくります。ミルタは直ぐに学校にいると嘘を見破りますが,ペドロはアホなので子供達の言いなり。
結局,悪魔誕生を成功させ子供達は、朝日に向かって悪魔と歩きました。もうこの世の終わり。
そして1番キモイのが、ジャイル。ウリエルよりも気持ち悪いです。
普段喋らないし単語くらいしか喋れないジャイル。それが車の中から部屋に戻れない筈なのに1人で歩いて部屋に入って来て祖母に向かって「寒いよ。風邪ひいちゃう。何か温かいものを作ってよ。紅茶とか」とスラスラ流暢に喋り出すのです。祖母は、ジャイルがオカシイと直ぐに分かり「ひょえ〜」というビックリ顔で動けなくなってしまう…良いお婆さんだったのに可哀想に。
そして1番怖いのがラスト。ラストでペドロに祖母サラを食べたことがバレて,人の顔や目を見れないジャイルが,ギロっと父を見る!怖〜!
背筋が1番ヒヤッとしました。
「子供と悪魔は互いに引き合うものよ」と忠告していたミルタの言葉が真実だとわかるシーンです。

ジャイルの絵
車から降りないジャイルのために,ペドロは息子を安心させようと一緒にいてやりました。このシーンで、置かれていた折り畳まれた紙(ジャイルが描いていた絵))を開いて中を見ると太陽が上っている所に、赤い色で描かれた人間と他にも複数の人々が描かれていたのですが、これは、ペドロに烙印を額に押した後に、悪魔が太陽に向かって去って行く場面を書いたものでした。
つまり、ジャイルは、ミルタが言うように前から悪魔に取り憑かれていた為、自宅にいた時から悪魔が誕生することを予想していたのです。
烙印
中には何故,ペドロが助かったのか不思議な人もいると思います。
それはペドロが何かしら罪を犯した人間だからでしょう。そして揺るぎない信仰心もない,信じるものもない人間で自分勝手に生きる人間だからです。
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悪に塗れてるまでは行かなかったペドロですが、自分勝手な上に、自分というものもなくルールも守らない弱い人間だから「良いように利用できる人間であり操りやすいから」最後まで生かしてやったのでしょう。
そして愛するものを弟以外奪われてしまい,子供達も失ってしまったペドロには、もう反撃する力も,協力者も、生きる気力もなくなってしまった。もう生きる屍のようなペドロ。
だから悪魔は、危険性のないペドロに、血の跡をつけた。自分が犯した人間の印をつけたのです。
これによりペドロは、悪魔に烙印を押されたのです。
あの世界の人間達の全てが、そして悪魔達もがペドロが汚された人間だと分かるようにしたのです。
ペドロは一生、生きてる間、苦しみ続けるのです…自分のせいで家族を殺してしまったと。

7つのルール
ではでは、悪魔に操られないための7つのルールをお教えいたしましょう!
1. 電気をつけてはいけない
2. 動物に近づいたらダメ
3.悪魔つきに近づいたものを身につけてはダメ
4. 彼らを傷つけてはダメ
5.悪魔を名前で呼んではダメ
6. 銃で撃ってはダメ
7. 死を恐れてはダメ
こうやって改めて見ると【邪悪なるもの】の登場人物の全員が、このルールを守っていない!
全く何やって生きて来たんですか、あの人達は?あのような歌が作られ歌われて来たのなら,かなりの惨劇が起こったからに違いありません。
この解決のルールがあるのに、誰もルールを守らないから惨劇が起きるのです。
おまけにペドロが愚かな人間で何も出来ないのが最悪です。
兄貴の癖に駄々っ子のよう。せっかく熟知してるミルタという協力者が出来たにも関わらず、全然言うことを聞かない!ルールは破るし、自分勝手な行動に出て,そのせいで悪魔や悪魔の協力者が広がって行く。
ラストなんて、愛する母まで失い、その母を殺したのが息子だなんて…ペドロの苦悩は計り知れない闇に覆われて行くのです。
だからあの慟哭。この7つのルールに初めて従う気になったならば、息子は悪魔付きなためペドロは殺せないのです。
次は、息子ジャイルからか、家に泊まらせてしまったウリエルの弟から新しく悪魔が出てくるでしょう。
初めっからルールを守っていたら,こんなことにはならなかったのに。
ペドロの叫びは死ぬまで続き、この世は終わるのです。さようなら、人類!
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Cast
- Ezequiel Rodríguez as Pedro Yazurlo
- Demián Salomon as Jaime “Jimi” Yazurlo, Pedro’s younger brother
- Silvina Sabater as Mirta
- Luis Ziembrowski as Armando Ruiz
- Marcelo Michinaux as Santino Yazurlo, Pedro’s son
- Emilio Vodanovich as Jair Yazurlo, Pedro’s son
- Virginia Garófalo as Sabrina, Pedro’s ex-wife
- Paula Rubinsztein as Sara
- Lucrecia Nirón Talazac as Vicky
- Isabel Quinteros as María Elena Gómez
- Desirée Salgueiro as Jimena Ruiz
- Federico Liss as Leonardo “Leo”
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