【THE HEAD 第6話】ネタバレあらすじ感想「氷をも溶け尽くす、愛と情念」どんでん返し!

Wow!

今日ついに、最終回を迎えてしまう日欧合作ドラマ【THE HEAD】!

極寒の僻地、南極ポラリス6で一体何が起きたのか?

連続殺人の犯人は?

そして旧基地であったポラリス5でのサラ殺害の犯人は誰なのか?

犯行に及んだ理由は?

その全てが、今夜、明かされます。

この最終回を見たら、きっと愛が静かに、貴方の心を満たすでしょう。

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今日Lyraが、詳しいあらすじ感想、ツッコミPointを書くのは、hulu世界独占配信の日欧合作ドラマ【THE HEAD】。

2020年6月17日から7月16日まで、毎週金曜日22:00〜から世界同時配信されて来ました。

*THE HEADの制作などの詳細はこちら→【THE HEAD】第1話 ネタバレ 詳しいあらすじ感想 「山下智久 世界進出で遊星からの物体X」ツッコミポイント

 

ポラリス6が通信手段を失った為に、部品などを探して、比較的近くにある、旧ポラリス5に向かったメンバーの真の理由は、サラ殺害と関係があるのが分かった前回の第5話。 ↓↓

*【THE HEAD 第5話】ネタバレ感想 「犯人登場! そして死亡者まとめ」 あらすじ

 

アーサーが追ってくる中、アニカとマギーは、アニカが作った救難信号を置く場所を探しに一時外へ。

そこでマギーは、真相を知る生存者であるアニカに、ポラリス5で昔、何が起きたか?サラは何故殺されたのか?、詰め寄りました。

今夜は、その場面からスタートします。

*LyraのBlogは、ネタバレ全開!詳しい内容を知りたくない方は、あらすじ前編だけ読んでから、【Lyraの感想】をお読み下さい。

 

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1.あらすじ: 前編

アーサーから逃げて来たマギーは、パニックから記憶が曖昧になっているアニカと救難信号を設置しにポラリス6の外へ出た。

マギーは今まで不思議に思っていたことを率直に聞いた。

マギー「どうせここで死ぬのなら、最後に理由を聞かせて!サラはなぜ殺されたの?」

固まるアニカ。

だが、生存不可能なこの状況ではもう何でもいい、と諦めた様子で、あの日、ポラリス5で起きた話をし始めた。

時々サラは、1人極寒の中、基地の外で震えながら立っていることが多かったらしい。

アニカはサラを探していて、窓の外に彼女を発見し、話しかけた。

アニカ「アーサーが貴方を探しているわ。」

サラは関係のない話をして黙る。

アニカ「暫くここにいたいなら、アーサーには、貴方がどこにいるか見つからない、と言っておくよ」と話すと、

サラ「貴方、知ってるの?ねぇ、初めからこうなることが分かっていて、私をここに連れて来たわけ?」と急に口調が強くなった。

アニカは、申し訳なさげな顔をしてサラを見つめると、そのまま彼女を残して基地内に戻った。

 

あの日ポラリス5では、あと2週間で夏が来る(つまり、この越冬隊の仕事が終わる) パーティーが行われ、ラモンは、特製チーズケーキを皆に振る舞い、隊員たちは、皆お酒を飲み、ダンスをし、ドラムやギターを弾いたりしてパーティーは大盛況だった。

仲良しのアニカとサラは、あと2週間たったら子供達や家族と会えるのが楽しみだと、2人して浮かれている。

そこへマイルズが「サラ、電話が入ってるぞ」と言いにきた。

サラ「オリビアだった?娘たちのどっち?」と聞くが、マイルズはそのまま騒いでる隊員たちの方へ行ってしまう。

へんなの、と両肩を上げるとサラは電話がある別室へ。

アニカは、何となく不信な感じがしたのか、サラが行った後を追う。

すると電話がある部屋から、男女の話し声が聞こえて来る。

扉には窓があるため、中は丸見え。

だからアニカは中にいる人物にバレずに2人の様子を眺める、

中には電話で呼ばれたサラと、、、

アーサーがいた。

実際は、電話などかかっておらずアーサーが、サラを呼び出したのだった。

どうやらアーサーは、いつもサラにしつこく迫っていたらしく、今も無理矢理キスして上手い具合に関係をもとうとしている。

サラは「もう寝ないと」と交わそうとするが、アーサーは何回もキスしようとする。

サラはバッと避けると、アーサーはブチ切れて「あっちへ行け、馬鹿野郎!」と大声を出した。

怖くてビクッとしたサラが急いでドアを開けようとすると、アーサーは描けよって来て「ごめん。怒鳴ってごめんよ。だって君が言うことを聞かないから。今の君を作ったのは、私だよ。だから元に戻す事もできる。そうだろ?だから、いいね?」と脅しながら又キスしようと抱きしめた。

サラは我慢していた、、、が、気持ち悪くてキスしたくないがために、体をひねった。

迫るアーサー、逃げるサラを押した拍子に、サラは転倒。

運悪く後ろにテーブルがあり、鈍い音を立てて、後頭部を強打、その拍子に首が折れて死んでしまう。

2人のやりとりを全て見ていたアニカ

「サラ!」と部屋の中に走って来てサラを抱き起こそうとする。

「目を覚まして!」と叫ぶが、サラは即死しているのは明らか。

アニカ「何でよ?何でこんなことをするの?アンタのせいでサラと私の今までして来た努力は全部クソになるじゃないの!どうする気よ!」と泣き崩れた。

アーサーを非難するが、アニカは、この偶然とはいえ殺したアーサーのせいで、支援者がいなくなり自分たちの研究がオジャンになるのは嫌だと言い始めた。

アーサー「じゃ、私たちはどうするんだ?」と放心状態。

サラは「私が説得する」と言い立ち上がると、パーティー会場に戻り、他の人隊員たちにサラが死んだこと、「アーサーが殺したが、地球を救う為に、研究は続けなければならない」を話して、サラ殺人を隠蔽することを提案する

だが誰1人として賛成しない。当たり前だが、みんな警察に通報し、アーサーは裁きを受けるべきだと言う。

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2.あらすじ: 後編

 

「それからどうしたの?皆んな言うことを聞いた?」とマギーが、虚な目で過去の事件を話し続けるアニカに聞いた。

アニカ「全然。皆んな言うことを聞かないから、私は説得したの。本部の人間が迎えに来るまでの2週間。説得し、説得し続けたの」

あまりにも皆を説得できない為、最終的には、隊員たちの恥部である秘密を使ってまで説得した。

マイルズは、電話がかかって来た、と嘘をつきアーサーの手伝いをしたこと、

ニルスは娘がジャンキーで売人殺しの罪を、エリックにはエバとの不倫をラモンには携帯の画像をバラすと脅迫した。

自殺した医師には、処方箋なしで知人に薬を販売していたことをネタにしてゆすり、全員に言うことを聞くように話すと、アニカは研究を続行させるために、パラリス5に証拠隠蔽する為に、火をつけたのだった。

マギー「この炎のせいで氷が割れ、ポラリス5は、サラの遺体と一瞬に崩れたのね」

アニカ「そう。全て飲み込んでくれた。だから、私たちがしたことを容認してくれてる気がして安心したわ」

マギー「でもポラリス5は、戻って来た。」

アニカ「8年もの月日をかけて、ポラリス5は戻って来た」

マギー「だから、だから、戻ったのね?ポラリス5に!」

 

ヨハン「嘘だ!そんなの信じない!アニカがそんなことするなんて!」と叫び出すヨハン。

ヨハン「自分にとってアニカは善人で、思いやりがある人間だ!」

そして彼にとって、天使のような妻だった、、、だから、ヨハンはこの事実が信じられない。

地球を守るための重大な研究のためとはいえ、隠蔽を率先してやった妻の別の顔を知り、ヨハンは叫ぶ。

それを聞きつけた仲間の医師が止めに入ると、ヨハンは怒って部屋を出て行く。

だが、ヨハンには薄々分かっていたのだろう。

この基地に妻を助けに来た初日に、たまたま見つけた、破り捨てられた紙っぺら。

それを自室でポケットから出すと火をつけた。

「許されないことをしてごめんなさい。私の手は血で汚れた。業火に値する罪よ」

そう書かれた紙片を燃やし、妻の笑顔を想いながら、庇うのだった。

ヨハン「さっきは悪いことをした。取り乱してしまった」と、ヨハンはマギーの部屋に謝りに来た。

マギー「良いの。私こそ、、、何で言ったら良いか」

ヨハン「君は気にするな。立派だよ。1人で良く勇気を出して頑張ったと思ってるよ」と気を使うヨハン。

マギー「あの、、、さっきもう一つ思い出したの」と言うマギー。

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「あの日、吹雪がまだあったにも関わらず、アニカは、『このままでは死んでしまうわ。何もしないより、助けを呼びに近くの基地に助けを呼びに行くわ』と、雪上車に乗りアルゼンチン基地に行こうとしたけど、吹雪がひどく、急遽変更して、カナダ基地へ向かったの。」

ヨハンは、急いで通信している仲間の部屋へ行き、捜索隊を真逆のカナダ基地のへと、いかせる。

ヨハンは、マギーが話たことを裏付ける為に、アーサーに会いに行く。

ヨハン「全部聞いたよ。お前がサラを殺したんだな。」

だがアーサーは、表情を変えずに、「アニカが私を陥れようとして嘘を証言しているだけだ。マギーの証拠は実際に目撃していない、アニカから聞いたと言うだけの伝聞証拠に過ぎない。」と認めない。

ヨハンは、また、マギーのところへ行く。

ヨハン「アーサーは罪を認めない。証拠が必要だ。ポラリス5からマギーが出て行ったあと、なにかあったかい?」と尋ねた。

マギー「アニカが雪上車で行った後、銃を持ったアーサーが来たの。、、、そして私は救えなかったわ、、、彼を」

と当時の話をし始めたマギー。

マギーがアニカが乗った雪上車が出ていくのを見送っていると、後ろから銃を持ったアーサーが現れた。

アーサー「何をしてる?こんな猛吹雪の中、出て行ったら死んでしまうぞ⁈」

マギー「貴方なんかといるより、アニカは、吹雪の中で死んだ方がマシだと思ったのよ!貴方は、女を人間だと思っていない!女なんて皆んな利用すれば良いと思っているゲス野郎よ!」と怒鳴った。

アーサー「何だと?このチビのバカ女が!」

と、2人が言い争う背後から現れたアキ。

隙を見計らい、アーサーを捕まえ、持っている銃を取り上げようと揉み合い、アーサーを突き飛ばした。

倒れ込んだアーサーは、起き上がると、アキに銃を向け撃つ。

アキは地べたに倒れ込み、痛そうに唸りだしたが、

「逃げろ!逃げろって!」とマギーに向かって叫んだ。

マギーは、アキの声でハッと我に帰ると、その場から走り去る。

するとアーサーも、ヨタヨタと起き上がると、マギーを追った。

必死に武器を持ち追ってくるアーサーを、保守用トンネルにおびき寄せる。

マギーの口封じをしようとして、後を追ってトンネル内に入った。

それを見たマギーは、鍵をかけて彼を基地から追い出すことに成功。

アーサー「このクソ女!ここを開けろ!」とドアを叩きながら叫ぶアーサー。

マギー「その後は、彼が中に入ってこないか怖くて、隠れていたの。そうしたら、貴方達がやって来たのよ…」と言い、ヨハンの顔を見上げた。

その時、仲間が部屋に来て、アニカの乗った雪上車が発見されたとヨハンに報告して来た。

急いでスノーモービルを飛ばす、ヨハン。

雪上車を開けると、運転席には凍りついたアニカが、、、。

泣きながら、妻アニカを撫でるヨハン。

ヨハンの仲間は、雪上車の燃料ホースが切断されているのを発見し、ヨハンも確認した。

どうやらアニカは、このせいで燃料切れになり、極寒中でも凍死したのだった。

アーサーに、「燃料ホース切断をしただろ?」と問い詰めるヨハン。

アーサーは関与を否定。

だが、アニカの運転した雪上車の中には、事件当日アーサーが着ていた血塗られたセーターが置いてあったのだった。

ヨハン「これでお前のキャリアも研究も名声もおしまいだ。」とアーサーに吐き捨てると、部屋を出て行った。

アーサーはネクタイを使い自殺を図る。

だが済んでのところで、警察に助けられ、死ぬこともできず連行されていくアーサー。

途中、マギーが立っている横を通り過ぎ彼女を目にすると、アーサーは飛び掛かろうする。

だが警察に取り押さえられ、アーサーは基地から連れ出されながら「アイツが嘘をついている!」と叫んで消えて行った。

マギー「もう南極には2度とこないわ」とヨハンに話すマギー。

支度をして靴を履くマギー。だが、T3症候群の症状が出て手が震えて、靴紐が結べない。

ヨハン「手伝うよ」とヨハンが結んであげた。

どちらともなく、「良い人生を」と言い、マギーは帰りのヘリに乗った。

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ヘリに乗るマギー。

眼下に広がるヘリ見える景色を眺めながら、医者が「マギーはT3症候群がひど過ぎる」と言っていた手の震えが止まる。

いや、「止まる」のではなく、自ら「止めた」のだった。

T3の症状、記憶障害など、全てマギーの演技だったのだ。

マギーは全てが終わったあと、自室で事件が解決して返してもらったノートパソコンを開く。

妹に電話をかける為。

妹「オリヴィア、終わったの?」

マギー「ええ、終わったわ」とニッコリと微笑んだ。

2人の姉妹。

オリヴィアは、サラの2人の娘達の1人の名前だ。

アーサー「あのクソ女は嘘つきだ。アイツが全員殺した。アイツの経歴を調べろよ。私が決めた後任の医者は、車で轢き殺されたんだぞ!アイツが全部やったんだ。全部アイツが仕組んだことだ!」

そう訊問されていた時にヨハンに言った言葉は、本当だったのだ。

マギーが来る前に、この隊の専属医だったビルから飛び降り自殺した医者は、実は隠蔽するのが耐えられるず、アニカ達には内緒で、自分たちがサラの事で嘘をついていることを打ち明けていたのだった。

そしてマギー(オリヴィア)達姉妹に、アーサーの血で汚れたセーターを証拠として、渡していたのである。

ヘリコプターの中でニッコリと微笑むマギー(オリヴィア)。

すると「オリヴィア・ジャクソン。良い名前だね。マギーの方が良いけど」と、話しかけて来るアキの姿がぼうっと浮かび上がった。

「ねぇ、あの時、迷いはあったかい?後悔した?」

優しく語りかけてくるアキの亡霊(幻?)を見つめていると、マギーの脳裏にアキの最後が思い出された。

あの夜、マギーはアニカがこれから乗る雪上車の燃料ホースを切断していた。

するとそこにアキが現れ、細工をしているのを見られてしまったのだ。

アキ「何をしてるの?」

マギー「私は何も…ただ見ていただけで…」

アキ「でも、今それ」と犯行を見られてしまったため、マギーは持っていたナイフでアキを刺してしまったのだった。

それは母への愛が勝ったからだ。

マギーには母を殺されたことや、事実を隠されていた事への復讐が、命がけのやるべき使命だったのだ。

マイルズの首をはねたのも、ニルスの首を切って大量出血で殺したのも、エヴァの乗る雪上車に細工して爆死させたのも、ラモン、アニカ、アキを殺したのもマギーだったのだ。

安らかな笑顔を見せるマギー。

ふと見ると、鼻から血が流れて来た。

手で、つい鼻を触り、確かめた。

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3.Lyraの感想

可哀想、、、その一言に尽きる、やるせないエンディング。

モヤモヤ感が全く抜けないのは、何故だろうか?

きっと犯人が母を殺された復讐を果たすために一人でやり切った感があるからだ。

愛のために、愛を捨てたマギーだったからだと思う。

このドラマの第1話から犯人は、マギーかアーサーだろう、と目星がついていたし、大当りしたのは良かったが、殺した理由がなんとも言えないえないモヤモヤ。

初めっから始終モヤモヤした霧の中を、さまよっているようなドラマだったから、このモヤモヤ感が、後味悪くて、これって現実にありそう、だと思う。

実際の事件なんて、犯人見つかっても、ふに落ちないことが理由だったり、曖昧な感情が渦巻いたまま解決なんてことばかりだろう。

そう考えるとこのサラ殺しの犯人がアーサーであり、連続犯はマギーであってその罪もアーサーになすりつけたマギーと言うのがリアルに感じるよ。

始終真っ暗で、外はブリザード(外は、猛吹雪)で、おまけに南極という究極の僻地で起きた殺人事件は、寒くて死にそうな状況なのに、むせ返るような息苦しさを生んでいる。

このモヤモヤ感は意図したもので、監督の狙いなら、大成功だ。

サラが「寒くてマイナス30度以下の外気に触れていると、脳が緊急性を感じて息苦しくなり、むしろ裸になりたい感情にとらわれるのよ。苦しくて裸になりたくなる」と言っていた気持ちが凄くわかるの。

この台詞がこのドラマの空気感、全体のストーリーの雰囲気、人間関係を表していると思ったな。

ギリギリの状況に置かれた人間は、やるべきことや理性と真逆なことをしてしてしまう、ということ。

極限状態の凍てついた生活環境下での、凍てついた人間関係だと、怒りがMaxになって燃え上がり、ぶっ壊したくなってしまうのだ。

何もかも燃え尽くすような情念や憎しみは、氷おも溶かし尽くすのだ。

そして愛をも。

 

4.LyraのツッコミPoint

①キモ過ぎアーサー

初回から犯人だ!と思っていたからアーサーがサラ殺しとわかり、納得した。きっとアーサーが犯人と予想していた人は、多いはず。

しかしマギーのせいで、全ての殺しがアーサーのせいになってしまったが、実際はサラのみというアララ〜な展開だった。

アキを殺したのはマギーだろうとLyraは、初めから予想していたが、前回の5話でアキが、マギーを助けるために、アーサーと2人きりになるようにしておびき寄せていたから、「アキは師弟関係であるアーサーにやられるのか?」と予想を変えてしまったのよ。

でもアーサーはそんな器じゃない、というか、ネチネチした粘着質な性格の癖に、自分の手を汚すような人間じゃないから、アキ殺しも他の隊員も殺していないだろう。

まんまとマギーに罪を全てきせられたが、同情の余地はない。

だって自分の欲望の為に、サラを口説くのではなく脅迫してキスをしたり、寝るために「今の君を作ったのは私だ。だからいつでも元の立場に戻せるんだよ。わかるね?私のいうことを聞きなさい」と言って脅すのだから、バチが当たったということだ。

どこまでも卑怯な奴。

アニカや隊員達のアイデアや研究を、自分の物として世に出すような卑劣な奴だから、汚くて根っから腐った人間なのだ。

「お前みたいなクソ女。デンマーク人達が助けに来たら、誰も真相は分からない。だって生き残りは私だけになるからだ」と言ってナイフ片手にマギーを追うアーサーの、キモさと言ったらない。

神は、死ぬこともアーサーには許さない。

報いを受けるべきなのだ。

性欲で何もかも失った人間がアーサーなのだ。

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②欲に塗れた天使アニカ

アニカの気持ちもわからなくもない。

一生懸命頑張って来た研究を無駄にしたくないからだ。

あの台詞からして、多分たくさんのアイディアを、上司である博士アーサーに横取りされていたと思われる。

Lyraも大学院にいたから(あと医者と付き合っていたのもあり)、大学内や学会の派閥は身に染みてよく分かる。

言いたくたくても教授に言えない辛さ。自分の研究をぶん取られる悔しさと言ったらない。

ただ上を目指すのみ。アニカもそうやって、女であっても生物学の世界で生き残れて来たのだろう。

「連名でも良いから俺たちの名前を論文に乗っけてもらえれば良いや」と同僚と愚痴っていたのが彼女達の本音だ。

もしかしたら、サラが来る前はヨハンには内緒だろうけど、アーサーに言い寄られていたんじゃないか?

もしかしたら、自分がされて嫌だからサラをこの越冬の場所に誘ったのではないか?そんな気さえしてしまう。

何故なら、サラが「貴方、もしかしてこうなることを知っていて私を誘ったの⁈」と、まだ自分が打ち明け話もしていないにも関わらず、アニカが、自分とアーサーの関係を知ってるから怒鳴った時に、アニカは、謝るような、仕方ないような顔をして、サラに弁解も何もせずに、ただ黙っていたからだ。

アレは、もしかしたら自分から関心を逸らす為にサラを呼びつけ、身代わりにしたのかも。

まさかサラが死ぬとは思わなかったアニカ。

サラの死を自ら率先して隠蔽しただけでなく、この愛欲の手筈までしていたなら、「私は地獄の業火に焼かれても仕方ない罪を犯した」と言っていい。

アーサーが性欲で人生を失ったなら、アニカは出世欲で命を失ったと言えよう。

ヨハンには、善人でいつも和やかな雰囲気を纏うアニカは天使だった。

その天使が、悪魔のような行動に出たのを知り嘆くヨハン。

そして彼もまた、妻の罪を隠蔽する、天使のままでいて欲しいから。

これもまた愛欲なのか?

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③アキとマギー

このドラマは解決したのに、全く解決などしていない、究極の未解決事件みたいだ。

後味が悪い映画って色々あるでしょう?

Lyraが大好きなStephen King原作の映画【Mist】みたいに、救いがない嫌な終わり方の映画みたいだと思った。

マギー = 本名オリヴィアは、母であるサラが事故の焼死ではなく、アーサーに殺されたと自殺した医師に打ち明けられた。

その為に復讐をしたのだ。

ポラリス5の隊員達を全員殺すことを使命として極地に入って来た。

だからアキは殺す予定ではなかった。

新人として2人はポラリス6に加わったのだから。

「愛する人に夢中になりたい」というアキの思いを、さりげなく交わし、キスだけはしたマギーだが、もし母を殺した奴らへの復讐がなければ、アキと本気で付き合った気がする。

惹かれあっていた2人。

 

母の死がなければ、きっと南極には来ていなかったマギー。

母が殺されたから、つまり母が殺されなければ、南極には来なかったわけで、そうならば、2人は出会わなかっただろう。

皮肉な運命。

アキは最後まで優しかった。

本当にマギーを愛していた。

だからこそ命がけでマギーを守った。

それなのに、マギーがアニカを殺そうと細工しているのを発見し、止めようとしたんだろう。

愛する人を罪人にしたくないから。

曲がったことが大嫌いなアキ(友人がカンニングしたのをみてキレてボコボコにしたくらい)。

マギーは、そんな優しいアキだと知りながら、刺殺する。

母の仇を取らなければならないからだ。

「ごめんなさい。ごめんなさい」と言いながらアキを殺さなければならないマギー。

その罪の心からか?

マギーは、アキの幽霊(又は幻)を見る。

死んでもなお、マギーに優しいアキ。

迷いはなかった?の問いの答えは、Yesだろう。

マギーは妹と入念な復讐計画を練ったに違いない。

T3症候群の症状を医師を騙せるくらい上手く演じられるのだから。

医者の自殺からアーサーが選んだ医者を轢き殺してまでして、南極に潜入したのだから、姉妹の計画は完璧だ。

2人で潜入はバレる可能性があるかもしれないから、1人に来たのだが、何故妹ではなくマギー(オリヴィア)だったのか?

隊員入隊の時の面接で、マギーは「癌の母のために願いを叶えたい」と話していた。

もしかしたら、自分が癌だから?この南極の復讐劇を演じた気がする。

いつ死んでもおかしくない自分ならば、何があったとしても悔いはない。

そんなつもりで、1人僻地にやって来たのだろう。

だからラストで鼻血をだしていたのではないか?

そう感じた。

もしかしたら、アキが現れたのはアキが天国に彼女を導く天使だったからかもしれない。

マギーはヘリコプターに乗り、妹が待つ家に帰るのではなく、アキが待つ天国へと旅立ったのかもしれない。

だから、このドラマは解決したのに、全く解決などしていない、究極の未解決事件みたいだ。

終わらない愛のため。

ブリザードで湿ったまま、このドラマは、悲しみが終わらない。

永遠に続く全ての後悔と、全ての愛を連れて、

マギーはアキの元へと旅立ったのだろう。

 

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