英語に慣れ親しみやすい絵本の1つに絵が可愛くて、わかりやすい物語を書く作家レオ・レオニがいます。
子供達に読み聞かせするのに、なんも考えずにレオ・レオニの洋書を買い、使って来ましたが、日本語で書かれたのは、始めてです。
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レオ・レオニの絵本で有名なのは沢山あるけど、小学生の教科書にも入っている「スイミー」が1番知られているかな。
あと、小さなお子さんがいるいる方なら、幼稚園や児童館や、ベネッセのしまじろうの教材にもチラッと載っていたりする、カメレオンが主人公の「じぶんだけの いろ」が身近かもしれませんね。
レオレオニの絵本は、可愛らしい千切り絵や貼り絵を使った今回紹介する、「マシューのゆめ」のような動物たちか、水彩画で薄く淡い色を多用した背景と、簡単に濃い色で書かれた動物たちの物語の2パターンが多いです。
1番子供がわかりやすい、認識しやすい表現方法なんでしょう。
話も可愛らしい動物が、冒険をする話が殆どで、わかりやすい話が子供に受け入れられ易くて、人気の子供向け絵本でしられる所以ですね。
でも、Lyraとしては、これは、大人に向けた自己啓発本に思えます。
レオレオニの本は、決まって主人公が冒険をしますが、それは、普通の絵本のような冒険主体のワクワク本ではないと考えています。
何故なら、レオレオニ絵本の主人公たちはみな、可愛らしい外見に似合わない向上心のある悩みを抱えています。
そして、自分という個を意識しまくっています。
そう、自分とは何か?
自分とは何者か?
自分に出来ることは?
自分のしたいことは?
そして、自分の夢は?
私は、レオ・レオニの絵本の主人公たちは、皆が皆、自分探しの旅に出て自分を見つめる生き物しかいないと思っています?
今日の紹介する「マシューのゆめ」は、まさに、その自分探しの旅に出るお話です。
この絵本はサブタイトルに、「えかきに なった ねずみの はなし」 と書いてあります。
そう、これは、絵描きになったレオレオニの痕跡も分かる話になっているのかもしれません。
埃だらけの屋根裏に、両親と一緒に住んでいたひとりっ子の長男マシュー。
新聞紙や本や雑誌や壊れたランプなどが重なり合った場所に住んでいて、ねずみ一家は貧しかったからマシューに望みをかけていました。
大きくなったら、お医者様になって朝昼晩、美味しいパルメザンチーズを食べられるよいになるだろう!と、期待をしてマシューに将来、何になりたいか聞くと、「わかんない、僕は世界というものを見たいんだ」
ある時、マシューは美術館へ連れて行って貰ったおかげで、自分が本当にしたいことに出会います。
そう、沢山の絵画を通じて、世界が丸ごとあると感じ世界を見たのです!
見るという事の素晴らしさ!
そして、その美術館では、もう1つ運命的な事を発見します。可愛いねずみのニコレッタに出逢ったのです。 スポンサーリンク[ad#go2]
彼女もこの美術館にある絵が皆素敵だと言う、同じ価値観を持ったねずみでした。
その感動からか、夜にニコレッタと手を繋ぎ沢山の絵の中を歩き続ける素敵な夢を見たのです。
目が覚めて、現実を見ると屋根裏は夢と違い侘しく、寒々しい光景で涙を浮かべてしまいますが、それから、魔法のように、目にした物が変わり始めました。
汚いゴミの山も褪せた色も輝き始め、遠くから音楽が聞こえてくるような気がしました。
そう、マシューは、自分がしたいことを発見したからこそ、夢を手に入れたからこそ、貧しい世界も薔薇色に見えてしまう、希望を手に入れました!
彼は、両親の所へかけていき、今わかった!僕は絵描きになる!、と宣言します。
その日からマシューは、絵描きになり毎日、何枚も何枚も絵を描き続けていきます。
一生懸命、仕事をし、楽しい色や形で一杯の絵を描いていきます。
そして、マシューは、ニコレッタと結婚し、有名になり世界中から彼の絵を見に買いにねずみたちがやってくるようになります。
かれが描いた中の1番大きな絵は、今では美術館に飾られていて、皆に題名を聞かれます。
題名だって?と、今で考えたこともないように、マシューは答えます。
「僕の夢」と。
きっと、マシューを通して、レオレオニは、人間の生き方のあるべき姿を見せているのでしょう。
自分のやりたいことを見つけること!
見つけたら、それをやり続けていく自分の才能を伸ばす努力を続けて行くこと!
そうすれば、必ず自分の夢は叶うということ!
そして、自分のやりたいことを見つけるヒントは心が楽しくなる、まわりの世界を想像力を持って見つめることです。
自分のやりたいことを発見したり、夢を持てば、汚い世界もより美しい世界に変わる!
私たちの生き方をしめしているのです!
さぁ、歩き出して!周りを見て顔をあげてごらん!
君にはどんな世界が見える?
どう、世界を変えたいかい?
そう、レオレオニは、私たちに夢を与えているのです。
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レオ・レオニ
(Leo Lionni)
生誕 Leo Lionni
1910年5月5日
オランダ、北ホラント州アムステルダム
死没 1999年10月11日(満89歳没)
イタリア、トスカーナ州
著名な実績 絵本、イラスト
代表作 『スイミー』(1963年)
『平行植物』(1976年)
受賞 児童図書スプリングフェスティバル賞
アメリカ図書館協会最優秀作品
ドイツ児童図書賞
活動期間 1959年 – 1999年
公式サイト
100 Years of Leo Lionni
レオ・レオニ(オランダ語: Leo Lionni、1910年5月5日 – 1999年10月11日)は、アメリカ合衆国、イタリアのイラストレーター、絵本作家。レオ・レオーニと表記されることもある。
生い立ち
1910年、オランダのアムステルダムにて、ダイヤモンドカッター工の父ルイス・レオニ(レオが9歳の時に公認会計士の資格を取得する)と母エリザベト(後にウィレム・メンゲルベルクに見出されオペラ歌手として活躍)の間に生まれた。
家はユダヤ人の裕福な家庭で、コレクターの叔父の影響で、パブロ・ピカソやパウル・クレーなどの芸術に囲まれて育った。また市長から特別許可を得たことで、自宅から徒歩圏内にあったオランダ王立美術館の石膏像の部屋でのデッサンが許されていた。学生時代はベルギーのブリュッセル、アメリカのフィラデルフィアへの引越しを経た後、14歳の時にイタリアのジェノヴァに移住し、その後スイスのチューリッヒ大学にて経済学を学ぶ。
アメリカ移住と絵本作家デビュー
1931年、21歳のレオは当時18歳のノーラ・マッフィーと結婚した。
同時期イタリア共産党の党員であるフィリッポ・トンマーゾ・マリネッティと出会い、未来派グループに参加するが、1932年の展覧会以降は距離を置くことになる。
1939年、イタリアのファシスト政権誕生と人種差別法公布により、アメリカ合衆国に亡命し、フィラデルフィアの広告代理店NWエイヤーに就職する。
ニューヨークで複数の新聞社で美術担当編集者、グラフィックデザイナーとして働きながら、美術学校や大学で講義を行い、各都市での巡回展も開いた。
1945年にアメリカ国籍を取得し、1953年にはアスペン国際デザイン会議の初代会長を勤める。
エリック・カールの才能を見出し、ニューヨーク・タイムズ広報部への就職を世話した上、編集者を送り絵本の仕事も勧めた。
1959年、孫のために作った絵本『あおくんときいろちゃん』で絵本作家としてデビューを果たした。
イタリア帰国後
1962年、再びイタリアに戻り、自身の本のイラストレーターや、彫刻の活動を始める。
以後およそ40冊の絵本を発表する。1970年以来想像上の植物の構想を練り始め、1976年に「平行植物」の題で学術書の体裁で出版された。
1999年、イタリアのトスカーナ州で死去。
作品
・あおくんときいろちゃん Little Blue and Little Yellow 1949年
・ひとあしひとあし:なんでもはかれるしゃくとりむしのはなし Inch by Inch 1960年
・はまべにはいしがいっぱい On My Beach There are Many Pebbles 1961年
・スイミー:ちいさなかしこいさかなのはなし Swimmy 1963年
・チコときんいろのつばさ Tico and the Golden Wings 1964年
・フレデリック:ちょっとかわったねずみのはなし Frederick 1967年
・せかいいちおおきなうち:りこうになったかたつむりのはなしThe Biggest House in the World 1968年
・あいうえおのき:ちからをあわせたもじたちのはなし The Alphabet Tree 1968年
・アレクサンダとぜんまいねずみ Alexander and the Wind-up Mouse 1969年
・みどりのしっぽのねずみ:かめんにとりつかれたねずみのはなし The Greentail Mouse 1973年
・さかなはさかな:かえるのまねしたさかなのはなし Fish is Fish 1970年
・シオドアとものいうきのこ:えらくなりすぎたねずみのはなし Theodore and the Talking Mushroom 1971年
・ペツェッティーノ:じぶんをみつけたぶぶんひんのはなし Pezzettino 1975年
・じぶんだけのいろ:いろいろさがしたカメレオンのはなし A Color of His Own 1975年
・うさぎたちのにわ:りんごのすきなうさぎのはなし In the Rabbitgarden
・ここにいたい!あっちへいきたい! :にひきののみのはなしI Want to Stay Here! I Want to Go There!: A Flea Story
・平行植物 La botanica parallela 1976年(宮本淳訳、工作舎、1980/01/11) – ISBN 978-4875024354
・おんがくねずみジェラルディン:はじめておんがくをきいたねずみのはなし Geraldine, the Music Mouse 1979年
・うさぎをつくろう:ほんものになったうさぎのはなし Let’s Make Rabbits: A Fable
・はなにいろをぬるのはだれ? ‘
ねずみのつきめくり Mouse Days: A Book of Seasons
・コーネリアス:たってあるいたわにのはなし Cornelius: A Fable 1983年
・なあに? What?: Pictures to Talk About
・いつ? When?: Pictures to Talk About
・どこに? Where?: Pictures to Talk About
・だあれ? Who?: Pictures to Talk About
・ニコラスどこにいってたの? Nicolas, Where Have You Been?
・ぼくのだ!わたしのよ!:3びきのけんかずきのかえるのはなし It’s Mine
6わのからす Six Crows
・どうするティリー? Tillie and the Wall 1989年
・マシューのゆめ:えかきになったねずみのはなし Matthew’s Dream 1991年
・マックマウスさん Mr. McMouse 1992年
・びっくりたまご:3びきのかえるとへんなにわとりのはなし An Extraordinary Egg 1994年
・あそぼうよ Let’s Play
・いろいろ1ねん A Busy Year
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