大人になるのを焦っちゃいけないよ、って、今の私なら、言ってしまいたくなる、そんな無鉄砲な女の子の映画です。
『17歳の肖像』(An Education)は、2009年のイギリス映画。リン・バーバーの自叙伝を映画化した作品。
イギリス人は、離婚率が高いし、浮気性が多いって本当。意外とねー。
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原題:AN EDUCATION
2009/イギリス 上映時間95分
監督:ロネ・シェルフィグ
脚本・製作総指揮:ニック・ホーンビィ
原作:リン・バーバー
出演:キャリー・マリガン、ピーター・サースガード、アルフレッド・モリナ、ドミニク・クーパー、ロザムンド・パイク、オリヴィア・ウィリアムズ、エマ・トンプソン、カーラ・セイモア、マシュー・ベアード、サリー・ホーキンス
あらすじ
1961年、16歳のジェニー(キャリー・マリガン)は、ロンドン郊外の街で平凡で退屈な日々を送っている高校生。
父(アルフレッド・モリナ)は成績優秀な娘をオックスフォード大学に進学させようと躍起になり、彼女はそのことに反発を覚えていた。そんなある日、彼女はクラシックのクラブの練習帰りに、雨に濡れてビオラを担いで帰ろうとしてる所を、デイヴィッド(ピーター・サースガード)という年上の男性と出会い、車に乗せて貰います。
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その出会いがきっかけで、デートに誘われ、普通なら金曜の夜に出かけるなんて受験前だからダメなのに、デイヴィッドは、頭の回転が早く口も上手いから、お母さんには、若いからお姉さんかと思った!とか言ってゴマをするし、お父さんには、自分はオックスフォード大学出身だから、CLルイスに娘さんを紹介してあげるとか言って、騙してデートに出かけられるようにしてしまいました。
クラシックコンサートの後に、ジャズクラブへ行きタバコをくゆらしながら、ディヴィッドや彼の仕事仲間、その彼女とダブルデートしていて楽しくて浮かれてしまいます。
大好きなフランス音楽やフランス語の話をして気分は最高!
今迄付き合っていた?同年代の男子は情けなくてダサかったけど、ディヴィッドは、大人で優しくエスコートしてくれるし、話は面白いし、フランスの話もできるし、何もない日に花をプレゼントしてくれたり、誕生日には山ほどのプレゼントをくれたりして、両親まで気に入ってしまいます。
その話のうまさから、17歳のその日は、一緒に一晩過ごす計画になりますが、ジェニーの希望から素敵な記念日にしたいから17歳まで、あれは、待って、という事で、フランスへ旅行へ行く事に。
初めは大陸嫌いのお父さんだから、大反対したけれど、お母さんは、彼の事が気に入ったせいで、私がつきそうから、とかいう始末。
俺を置いていく気か?なんてお父さんは怒りますが、ディヴィッドが、落ち込んだふりして上手いセリフを哀しげに言うから、結局らお父さんも旅行へ行くのをOKしてしまいます。
渡航日に、遅れたせいで、ロンドンで一泊する羽目に。
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その晩、ふたりはベッドへ行きますが、ジェニーの記念にしたいから、明日の今頃は、どうせパリへ行くんだから、それまで待って、というと、その思いを、ディビッドは組んでくれました。
優しくしてくれるディビッドに完璧に惚れてしまったジェニー。
憧れのいつか住もうと決めているフランスへ来て、夢のような1日を過ごすジェニー。
最高な気分のまま、夜を2人で過ごしてしまいました。
「思っていたのとは、全く違うのね、呆気ないわ」
そんな空虚なセリフを暗闇の中、タバコを、吸いながら言うジェニー。
それに、彼らは普通の仕事をしていませんでした。
お金持ちなのは、泥棒のようなことをして稼いでいるから。
低学歴でオックスフォード大学出身は嘘。違法になる又貸しをして、黒人や低所得者にアパートを貸したり、お金持ちのお年寄りから、絵画やお金になりそうなものを、騙して上手く手に入れてオークションへ掛けたり、マフィアまがいの連中に取引したりして金儲けをする連中でした。
初めは彼らを非難して逃げようとしましたが、ディビッドの口のうまさとレディのように優しく扱ってくれるから、ジェニーは、彼の行為も、お金持ちになり楽しければ良いや、と許してしまいました。
そのディビッドの仕事仲間の男は、ディビッドが、ジェニーに運命を感じるんだ、と言うのを聞いて、じゃあ、傷つけるなよ、と答えたくせに、他人の女が欲しくなるタイプ?なのか、一緒にダンスをしたり、仲良くしモーションをかけ始めました。
それを見つめるディビッドと男の彼女。
他人に取られたくないからか、ディビッドは、わざと2人きりになるように仕向け、帰る時に、いきなりプロポーズをして来ました。
指輪かなんか今ないかな?と必死にトランクを探すディビッド。すがるようにジェニーに結婚を申し込みます。
本気のような彼の態度にジェニーは、考えさせて、と答えました。
暫くして学校では、婚約指輪をしているのがバレて学校中の噂に。
フランス行きの旅行へ行くときも学校中の噂になり、校長に呼び出され注意されたばかりだから、大変な事なのよ、と物凄くおこられ、成績優秀なのに進学しないのは勿体ないとか、将来を考えなさいと言われました。
前に、担任の先生にも、貴方には幸せな未来を手に入れて欲しいと言われた時に、貴方のような死んだようなつまらない毎日は送りたくない、とひどい事を言ったのと、同様なことを校長に発してしまうジェニー。
女が高い教育を受けたって、どうせ貴方たちみたいに教師になるとか、公務員とか、つまらない毎日を繰り返して生きていくだけ。
私はジャズクラブへ行ったり、フランスへ住んだり、綺麗な服や美味しい物を食べたり、今を生きてる!って感じていきたいのよ!と迄、言ってしまいました。
帰宅して両親も、ディビッドみたいにお金持ちで音楽業界や文学界(CLルイスと知り合いだから、と前のデートの帰りにハードカバーの裏にジェニー宛のサインとメッセージを、本人のふりをしてディビッドが、書いたから、その本を貰って、お父さんは騙されていた)に、顔が広い男となら、進学も止めて結婚しなさい、なんて言うから、ジェニーは、学校をやめてしまいました。
これから、婚約祝いのパーティーがてら出かけよう、と両親とディビッドとなった晩。
車の中で偶然にも、ジェニーは、たくさんの書類をダッシュボードから、見つけてしまいました。
それは、ディヴィッドが妻帯者であると言うことがあちこちに書いてある書類でした。
両親に部屋で待っていて、と頼んで、ディヴィッドに問い詰めるジェニー。
言い訳しかしないディビッドに、両親に貴方から、ちゃんと説明して、と頼み車を降りましたが、彼は酒を飲んだまま急いで逃げるように車を出してしまいました。
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不思議がる両親にディヴィッドが妻帯者であり、結婚しようと言われたけど、騙されたのだと説明しました。
ショックをうける両親。
部屋で落ち込んでいるジェニーの所へ、いつもは叱ってばかりだった父親が慰めに来ました。ドア越しに、自分が低学歴で嫌な思いをしたから、かわいいジェニーには、自分みたいな想いはさせたくなかったから大学へ進学して立派な人生を胸をはって生きてほしかったからなんだと告白しました。
だけど、ディヴィッドの口のうまさに、沢山の業界と知り合いと言うのに騙されて父さんが馬鹿だったと、謝りました。
その気持ちが伝わったようで、ジェニーは、自主退学した学校へ、もう一度進学のチャンスをくださいと頼みに行きます。
が、校長は貴方から止めたんだから、そんな人間は心からやり直せないからダメだ、と追い返されてしまいます。
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落ち込んでバスに乗っていたジェニーは、思い出したかのようにバスを降りました。
行った先は、自分に進学をすべきだと忠告してくれた担任の先生。
謝り、反省をしていることを告げ、再度やり直したい!大学へ行きたい!と話しました。
先生は、貴方のその言葉を待っていたのよ!と静かに答えてくれました。
それからのジェニーは、人が変わったかのように勉学に励みました。
そして、ある朝。家族で朝食をとっている時に、合否の手紙が入っている封筒を手にしました。
開けて中を読んだジェニー。静かに、手紙を置き、1人になるために階段に座りました。
両親が中を読むと、合格の報告が!
にこやかに微笑むジェニー。
そして、彼女は真面目で地味だけど、着実な毎日を送り、何事も起きなかったかのように、新しい生活を送り新しい彼氏ができました。
その新しい彼氏から、フランスへ旅行に行かないか?と言われ、素敵ね!と、まるで初めて喜ぶかのように、心の底から、本当に、喜んだのでした。
【Lyraの感想】
何故か簡単にハッピーエンドをゲットしてしまった主人公のジェニー。
イヤーな男にめちゃくちゃにされたんだから、最後くらいは明るくしないといけませんよね。
校長は冷たかったけど、あれが現実でしょう。
校長は心配して二回注意したんだけど、最後にジェニーが言い放った台詞は、毎日嫌なことがあっても、頑張り、折り合いをつけて生きている大人たちには、かなりきつい台詞でしたから。
それに反論できないでいたら、「私みたいな学生は、また何人も出てくるから、反論出来る、答えを考えておきなさいよね」ってジェニーは、そこまで校長にいっちゃうんだから、困りもの。(気持ちはわかる、わかる)
60年代の女性は今ほど働ける場所がなかった。だから、教養をみにつけても「どうせ教師になるしかない」と言い放ったジェニーの言う通りなのでしょう。この教師とのやりとりは、性差別がまだ残るイギリスの労働事情を感じました。(あとデイビッドの友達の女泥棒仲間)との場面もそうだと思います。彼女のようでそうではなくバカにされて利用されてる感じのやりとりが悲惨。)
だからジェニーがやり直したくて会いに行った英語の先生=担任が、「貴方のその言葉を待っていたのよ!」と答えてくれた時は、見ている私まで嬉しくて泣けてしまいました。
こんな良い先生いたらなぁ〜最高だよね!
それにしてもディヴィッドは、最悪なウンコ野郎ですね。高校生で、今すぐ受験する女子高生を騙して、おまけに妻帯者で子持ちなんよ!
なんでプロポーズすんのかな?馬鹿?
それに、ジェニーが、自宅に会いに行って奥さんと子供に会いに行くシーンがあるんだけど、奥さんにバッタリあったから、「道を間違えちゃった」て気まずくて言っら、もう奥さんは、ピーンと来て、
「やだ‼︎貴方、まだ子供じゃない?妊娠はしてないの?あっそう、なら、よかった、もう、毎回こうなんだから。前なんかね〜」とサラッと話し出して、何回も浮気してるんだよね、このディヴィッドは。クズだね。
もっと早くわかってたら、嫌な思いや退学もせずに済んだのに…でもジェニーが成長する上では、通らなければならない過程だったんでしょう。
クサった毎日を大切にしないで、クサって生きていた女子だったから。
デイヴィッドともし付き合っていたら労働者階級から抜け出せないまま泥棒や詐欺を働いているデイヴィッドと同じ事をして生きていかなきゃいけなかったかもしれません。下手するともっと酷いことをしろと強要されていたかもね。
原題から「教育」って意味だけど、大学進学の意味や高校での教育の事も言っているんでしょうけど、大人としての成長のための人生の教育って意味も言い表したかったのだと思う。
ティーンは、早く大人になりたいし、大人の世界は憧れちゃうから…大人は格好良く見えるんでしょうね。
でも、大人なんて子供と同じだよ!
絶対なんてものはないし、毎回毎回、子供と同じように悩んだりもがいたりしているよ。
成功もあれば失敗もある。
汚い世界に足を踏み入れているくせに、キラキラしたフリをしてる汚い奴なんか一杯いるんだからね。騙されちゃいけないよ、目先の事に。
ティーンたちよ!
焦らずに!毎日を着実に学びましょっ。
一歩一歩、悩んででも良いの。他人と比較しないで、自分のペースで良いから、前進していくと幸せになれますよ。
信じられない時は、毎日少しずつでも頑張った事が、貴方の自信に繋がるからね。
努力が貴方のパワーになる。毎日練習した事が貴方の自信に繋がるの。
そして、家族が貴方を信じてる!
家族が、貴方を愛してる!
だから自信を持って、一歩でも前へ歩いていこう♪
上手い話と、速いスピードで簡単に手に入れられるものは嘘と糞まみれよ。
気をつけてね。貴方は愛されているのだから。
騙されないで、口の上手い奴に!
必ず、道は開ける。
朝は来る。
そしてFight for your right!
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Cast
- Carey Mulligan as Jenny Mellor
- Peter Sarsgaard as David Goldman
- Dominic Cooper as Danny, David’s friend and partner in crime (Orlando Bloom was originally cast in this role but dropped out before shooting began).
- Rosamund Pike as Helen, Danny’s girlfriend.
- Alfred Molina as Jack Mellor, Jenny’s father.
- Cara Seymour as Marjorie Mellor, Jenny’s mother.
- Emma Thompson as Miss Walters, the headmistress at Jenny’s school.
- Olivia Williams as Miss Stubbs, Jenny’s concerned teacher.
- Sally Hawkins as Sarah Goldman, David’s wife.
- Matthew Beard as Graham, a boy Jenny knows from the Youth Orchestra.
- Ellie Kendrick as Tina, Jenny’s friend from school.
- Ashley Rice as Petrol Attendant[
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