「出来過ぎているよ」…改めて大好きな Pearl Jam パールジャムのこの【Present Tense】を聴き直して、この歌詞の全てが【THE LAST OF US ラスト・オブ・アス】シーズン2のキャラクターであるエリーとジョエルの悲しい人生そのものだったのだ。
まさか第5話のエンドロールでこの曲がかかるとは…
おまけに終わる直前に亡くなったジョエルとエリーの仲良き姿がいきなり出て来てパッとエンディングに切り替わり【Present Tense】が流れたからもうLyraは第号泣しました。やられてしまったよ(笑)。
ラスアスに関する内容や詳しい解説は【THE LAST OF US ラスト・オブ・アス】のシーズン2を読んで頂くとして…、今日は、ラストオブアスのゲーム版ではPearl Jamの他の曲が使われたのにドラマでは歌わず、この【Present Tense】になったのか、も含めて解説しましょう。
人生を明るく捉えてるようにも生きづらさから諦めて達観としているようにも取れる不思議な曲【Present Tense】。ラスアス好きは胸が締め付けられるよ。ああ、また涙が溢れて来た。
今日Lyraが和訳&解説するのはアメリカ合衆国シアトルで結成されたバンド Pearl Jam パールジャムです。
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今日Lyraが和訳する曲は、Pearl Jamの1996年4月27日リリースの4th アルバム『No Code』に収録されている曲【Present Tense】。
詳しい解説は、LyraのHipjな和訳の後にまたお話しましょう!
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Present Tense is a song of the album No Code by the American rock band Pearkm Jam.No Code is the fourth studio album by Pearl Jam, released on August 27, 1996, through Epic Records. Following a troubled tour for its previous album,Vitalogy (1994), in which Pearl Jam engaged in a much-publicized boycott of Ticketmaster, the band went into the studio to record its follow-up. The music on the record was more diverse than what the band had done on previous releases, incorporating elements of garage rock and worldbeat.
=Present Tense=
Do you see the way that tree bends?
Does it inspire?
Leanin’ out to catch the sun’s rays
A lesson to be applied
Are you gettin’ somthing out of this
All-encompassing trip?
あの木の曲がり具合が見えるかい?
何かインスピレーションを感じる?
太陽の光を浴びようと
身を乗り出しているよ
これから学ぶべき教訓だ
このあらゆることを網羅した旅から
君は何かを得ているかい?
[Chorus]
You can spend your time alone redigestin’ past regrets oh
Or you can come to terms and realize you’re the only one who can’t forgive yourself, oh-ooh
Makes much more sense
To live in the present tense
人は過去の後悔を一人で消化し直すこともできるし
或いは自分を許せないのは
自分だけだと認めて受け入れることもできる
ああ、ああ
ずっと理にかなっているよ
現在形で生きることは
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Have you ideas on how this life ends?
Checked your hands and studied the lines?
Have you the belief that the road ahead
Ascends off into the light?
Seems that needlessly it’s gettin’ harder
To find an approach and a way to live
Are we gettin’ something out of this
All-emcompassing trip?
この人生がどうやって終わるか
考えたことがある?
自分の手を見て
手相をじっくりと眺めてみた?
この先の道は
光へと昇っていくと信じられるかい?
今、生きるための道筋や 道を見つけるのが
不必要に難しくなっている気がする
この全てを網羅する旅から
俺たちは何かを得ているのだろうか?
You can spend your time alone redigestin’ past regrets or
Or you can come to terms and realize you’re the only one who cannot forgive yourself, oh-ooh
Oh, makes much more sense
To live in the present tense
人は過去の後悔を
一人で消化し直すこともできるし
或いは自分を許せないのは
自分だけだと認めて受け入れることもできる
ああ、ああ
ずっと理にかなっているよ
現在形で生きることは
Writer: Eddie Vedder, Mike McCready
Translator: Lyra Sky 和訳
アルバム『No Code』
【Present Tense】が収録されているアルバム『No Code』は、パール・ジャムの4枚目のアルバムでエピックレコードから1996年8月27日にリリースされました。前作『ヴィタロジー』(1994年)のツアーでチケットマスターをボイコットするなど、波乱に満ちた展開となったパール・ジャムですが、バンドはスタジオ入りしてこの新作をレコーディングしました。このアルバムに収録された音楽は、ガレージロックやワールドビートの要素を取り入れ、以前の作品よりも多様性に富んでいます。
【Present Tense】歌詞について
出だしから人間の生死をさせる歌詞で、生命をかけて旅する【ラストオブアス】のキャラクター、エリーとジョエルにピッタリだ。
Do you see the way that tree bends? Does it inspire? Leanin' out to catch the sun's rays A lesson to be applied
木々は、無意識の生命体であり、生き残るために必死に奮闘している生物だといえよう。木々は、生きるために必要な太陽と水を得ようとしている…そこから私たち人間はどんな教訓を得られるでしょうか?
木は過去や未来を気にしていない…ただ生き残ることだけを目標としています。 最初の歌詞は、現在に根ざした観察をしています。私たちはどれほど頻繁に、ただ周囲を見回し、「その光を浴びる」ために身を乗り出しているでしょうか? また、この詩全体が[文法的に現在形]で書かれていることも注目すべきです。タイトルと合致しますから。
そして【ラストオブアス】の世界が木々やツルに覆われた緑のシアトルの街のように、自然が文明社会を侵食したかのように猛威を振るっているため、この出だしの節が今までの、そして現在のエリー達の世界を言い表してるようです。
人は過去の後悔を一人で消化し直すこともできるし
或いは自分を許せないのは
自分だけだと認めて受け入れることもできる
ああ、ああ
ずっと理にかなっているよ
現在形で生きることは
Have you ideas on how this life ends?は、
「この人生がどうやって終わるか考えたことがある?」という意味ですが、死についての質問を投げかけています。もし私たちが不死なら、このような考えは意味をなさないでしょう。しかし、どうあがいても人は死ぬので、死後の世界があるのかどうか疑問に思う人もいれば、今が唯一の人生だと信じる人もいます。
この歌詞は、人生のはかなさへの感謝から生まれたもので、聴く人に「過去の後悔を再び消化する」ことから抜け出し、人生はいつか終わるので終わり方が分からないものだという考えをわからせようとしているのでしょう。
そしてその後の Checked your hands and studied the lines? これを直訳すると「自分の手を見て、線を眺めてみた?」となりますが、エディが言っているのは、手相占い、別名パルミストリー(掌紋占い)のことです。だからLyraは「手相をじっくり眺めてみた?」とわやくしました。
「手相占いは人生について学び、自分自身についてより深く理解するのに役立つ」と信じられています。つまり、この部分は自己認識に関するも。過去や未来のループから抜け出すには、自分自身を知る必要があります。そして、そのための方法はたくさんあります。手相占いはその中の1つと言いたいのでしょう。この辺は占いを信じる信じないの好き嫌いみたいな物で共感できない人もいるでしょうね。これは方法はたくさんある、と言う意味だと考えれば共感できるのではないでしょうか?
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Have you the belief that the road ahead Ascends off into the light?
この先の道は
光へと昇っていくと信じられるかい?
これからの道とは、これからの人生=未来のことです。そして光とは、答えや理由を見つけることと解釈できるので、自己実現ができるかどうか聞いているのですね。過去と未来のループから抜け出すには、悟りが必要なのです。
ただ、もう少し深く考えると光が天国のようにも取れます。だとすると後悔しないで真っ当に生き、地獄ではなく天国へと昇って行けると信じられますか?と聞いているのでしょう。
これが、これからジョエルの復讐をするエリーに照らして考えると非常に酷な問いかけに感じますね。だってアビーという残虐行為をした人物に対して同じ残虐行為を施すのだから…エリーは、深読みの解釈からしたら、罪人に仕返しをする罪人になるから光へと(天国)昇って行ける保証はなくなります。悲しいことですが…
でもエリーからしたら悔いはなくなるし、愛するジョエルの無惨な死の復讐を遂げられ自己実現を果たせるわけですから光へと昇るような気持ちになれるかもしれませんね。
Seems that needlessly it's gettin' harder To find an approach and a way to live Are we gettin' something out of this All-emcompassing trip?
「今、生きるための道筋や道を見つけるのが
不必要に難しくなっている気がする
この全てを網羅する旅から
俺たちは何かを得ているのだろうか?」
の歌詞から人の生き方に疑問を持っているのが感じられます。
自分自身を知ることは簡単なことではありません。そして自分の行く道が正しいのか、生きる術がただしいのか不安なのです。
だからエディの主題は、このすべての努力が後で価値があるかどうか疑問に思っているのです。
THE LAST OF US ラスト・オブ・アスでの【Present Tense】の意味
この【Present Tense】は、アメリカのTVシリーズ【THE LAST OF US】シーズン2第5話で使用されました。↓↓
*【THE LAST OF US ラスト・オブ・アス シーズン2】第5話ネタバレ解説あらすじ 感想
冒頭から木の枝の光合成をして生きることだけに必死な様子から自然界を表していて。ラスアスの世界観と合致する。あの世界観を知ってるラスアス・ファンは、この曲を聴いてドキッとしたのではないだろうか?
昔から知ってるこのパール・ジャムの【Present Tense】がTHE LAST OF USのシーズン2のエンドロールで、しかもアビーに殺されてこの世には、もういないジョエルが満面の笑みで現れ、エリーもそれに笑顔で答えた後に使われるなんて思いもよらず涙してしまいました。世界観が似てるのでスーッと胸に沁みて来て、真っ黒のエンドロールを見つめたまま彼らの旅を思い返してしまったのです。
コーラスの部分はエリーの今を表しているようで辛くなります。
You can spend your time alone redigestin' past regrets oh Or you can come to terms and realize you're the only one who can't forgive yourself, oh-ooh Makes much more sense To live in the present tense
「人は過去の後悔を一人で消化し直すこともできるし
或いは自分を許せないのは
自分だけだと認めて受け入れることもできる
ああ、ああ
ずっと理にかなっているよ
現在形で生きることは」
これは、人間である私たちは、未来の可能性について思いを巡らせたり、過去の過ちに囚われたりすることが良くあることを言っています。
誰もがそのループに陥ってしまう。過去を後悔したり、未来について思いを巡らせたりするうちに、私たちは現在を見失ってしまう、だから「今を生きる」と言うことの大切さを言っています。
そしてより深く考えれば、過去や未来を考えたってどうすることもできない、だから現在を生きるしかない、という諦めにも取れる歌詞です。
ラストオブアスのあのエンディングで使われたのはエリーの心情を表したいからだと思われます。では今のエリーの心情は、今の2種類の考え方のどちらなのでしょう?後者の諦めにも取れる、過去や未来などない状況で現在を生きるしかないのです。
【THE LAST OF US ラスト・オブ・アス】シーズン2第5話でも解説を書きましたが、前半部分でエリーがギターを弾きながら歌いかけてやめた曲が、同じPearl Jam の曲【Futurdays】でした。これは原作であるゲームでの【THE LAST OF US ラスト・オブ・アス】でジョエルが生きてる時にエリーと一緒に歌った曲です。このドラマでは描かれていませんが、エリーがやめた理由が2種類考えられます。
1つは、楽しかった時の歌を歌っても、もうジョエルはいない、と思ったら悲しくて歌えなくなった。
2つ目の理由は、この【Futuredays】の歌詞が、「2人でいる未来を信じている」という未来がある歌詞だから歌えなくなったのです。なぜなら、エリーが愛していたジョエルは殺されて今の世界にはいないからです。つまり2人の未来がないのです。何とも悲しい現実!
*Pearl Jam【Future Days】和訳 解説 亡くなった友への想い
この現実からエリーは、この【Futuredays】が歌えなくなったのです。そして歌を歌わない代わりに、今。ひとりで現在形で生きることを選んだ=つまり、ジョエルのために復讐をするのです。アビーを殺すことがエリーの生きる目的なのです。
そしてこの歌が歌えない代わりとでもいうようにドラマのラストでこの【Present Tense】が流れるなのです、まるで敵に復讐しているエリーの心情そのものとして。
【Present Tense】の曲の最後の方に「人生がどう終わるのかわからない」というのがありますが、これが復讐の旅に出たエリーの悲しげな終わりかたを示唆してるようで不安な気持ちに駆られてしまう。復讐が遂げらるのかもわからないだけに、あと二回がどうなるのだろう?と夜も眠れないわ〜(笑)。
Eddie Vedderの優しい歌声が魅力の【Present Tense】。
過去を悔まず、未来を案じることもせずに、現在を生きることに全てを捧げる。それは理想であり実際に遂げられるかは誰もわからない。
ただ今を生きる。
現在形で生きるだけ。
理にはかなっている。
ジョエルとの未来がなくなり、今、エリーは復讐のためだけに生きる。
現在、生きている理由はジョエルの復讐のため。
「この全てを網羅する旅から
俺たちは何かを得ているのだろうか?」
人間という生き物は、何かを得ているのだろうか?
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Credits
Producers Pearl Jam & Brendan O’Brien
Writers Eddie Vedder & Mike McCready
Vocall Eddie Vedder
Guitar Stone Gossard & Mike McCready
Bass Jeff Ament
Drums Jack Irons
Assistant Engineer Caram Costanzo, Jeff Lane & Matt Bayles
Mixing Engineer Brendan O’Brien & Nick DiDia
Mastering Engineer Bob Ludwig
Recording Engineer Nick DiDia
Label Epic Records
Publisher Write Treatage Music, Innocent Bystander (Publisher), Jumpin’ Cat Music, Scribing C-ment Songs & Mr. Brootz Music
Copyright © Sony Music Entertainment
Phonographic Copyright ℗ Sony Music Entertainment
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