このブログで Chris Cornell クリス・コーネルの死が信じられなくて耐えられないと書いてから8年も経ってしまったとは…。
今だにChrisの死を知った2017年5月17日を思い出すと胸が張り裂けそうになる。でも今だにLyraの中ではChrisは大好きだし忘れることはない存在。
彼が作り出した作品の数々も色褪せない…永遠に素晴らしいソングライターでありヴォーカリストです。
Chrisの命日には毎年追悼の気持ちを込めてこのブログで書いて来ました。今年もChrisのソロワークからと考えましたが、今回は Soundgardenの【Burden In My Hand】に決定!
なぜなら大好きなドラマで使われたからです。この曲の暗くて罪深い歌詞が、悲しくて激しいドラマのラストに非常にマッチしていて怖いくらい。
全てを合わせたら、熱にうなされるように人は壊れていく生き物なのでしょう。
今日Lyraが和訳&解説するのは、アメリカ合衆国ワシントン州シアトル出身のバンド、 Soundgarden サウンド・ガーデン。
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Soundgarden
1984年ボーカル兼ドラマーのChris Cornell クリス・コーネル、リードギタリストのKim Thayil キム・セイル、ベーシストのHiro Yamamoto ヒロ・ヤマモトによって結成。
1985年、Chrirはリズムギターに転向し、ドラムは当初 Scot Sandquist スコット・サンドクイストに、後に1986年に Mat Cameron マット・キャメロンに交代。1989年 Yamamoto が脱退し、Jason Everman ジェイソン・エヴァーマンから、Ben Shepard ベン・シェパードに交代。
サウンドガーデンは1997年に解散。そして、2010年に再結成されました。
2017年のコーネルの死後、セイルは2018年10月にサウンドガーデンが2度目の解散を宣言しました。バンドの生き残ったメンバーはそれ以来時折一緒に活動を続けており、2019年1月にはコーネル大学に敬意を表した一回限りのコンサートのために再結成。
2024年12月にはシアトルでアナグラムのNudeddragonsでシャイナ・シェパードをボーカルに迎えたチャリティコンサートを行っています。
*クリス・コーネル: Soundgarden 貴方の声がずっと好き Chris Cornell great singer R.I.P.
*ドラマはこちら→【THE LAST OF US ラスト・オブ・アス シーズン2】第7話ネタバレ解説 あらすじ 感想 Burden In My Hand
今日Lyraが和訳する曲は1996年9月16日リリースのサウンドガーデンの5枚目のアルバム『Down On The Upside』からの2nd シングル【Burden In My Hand』。
詳しい解説はLyraのHipな和訳の後にまたお話しましょう!
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*曲が使われたドラマはこちら→【THE LAST OF US ラスト・オブ・アス シーズン2】第7話ネタバレ解説 あらすじ 感想 Burden In My Hand
Burden in My Hand” is a song by the American rock band soundgarden. Written by frontman Chris Cornell, “Burden in My Hand” was released on September 16, 1996, as the second single from the band’s fifth studio album, Down on the Upside (1996). The song topped the Billboard Mainstream Rock Tracks chart, where it spent five weeks at number one. The song was included on Soundgarden’s 1997 greatest hits album, A-Sides.
=Burden in My Hand =
Follow me into the desert,as thirtsty as you are
Crack a smile and cut your mouth and drown in alcohol
‘Cause down below the truth is lying beneath the riverbed
So quench yourself and drink the water that flows below her head
お前と同じくらい俺だって
喉が渇いているから
砂漠行く俺について来い
笑みを浮かべ
口を切り
酒に溺れる
だってさ
真実は
川底の下に埋もれているから
だから彼女の頭の下を
流れる水を飲んだら
自分の乾きを癒しなよ
Oh no, there she goes
Out in the sunshine
The sun is mine, the sun is mine
あ〜あ
彼女は行ってしまった
太陽の光の中で
太陽は俺のもの
太陽は俺のもの
[Chorus]
I shot my love today, would you cry for me?
I lost my head again, would you lie for me?
今日
愛する人を撃ち殺してしまった
俺のために泣いてくれる?
また正気を失った
俺のために嘘をついてくれる?
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[Verse 2]
Close your eyes and bow your head, I need a little sympathy
‘Cause fear is strong, and love’s for everyone who isn’t me
Kill your health and kill youself and kill everything you love
And if you live, you can fall to pieces and suffer with my ghost
目を閉じて頭を下げてくれ
俺には
ほんのちょっとの同情が必要なんだ
恐怖は強いからね
そして愛は俺以外のすべての人々へ
健康を殺し
自分自身を殺し
愛するものすべてを殺しなさい
そしてもしお前が生き残ったら
俺の幽霊とともにバラバラになって苦しむだろう
[Chorus]
I shot my love today, would you cry for me?
I lost my head again, would you lie for me?
I left her in the sand, just a burden in my hand
I lost my head again, would you cry for me?
今日
愛する人を撃ち殺してしまった
俺のために泣いてくれる?
また正気を失った
俺のために嘘をついてくれる
彼女を砂の中に残して
ただ手に重荷を背負ったまま
また頭がおかしくなった
お前は俺のために泣いてくれるかい?
It’s just a burden in my hand
It’s just an anchor on my heart
It’s just a tumor in my head
And I’m in the dark
それはただの手の中の重荷
それはただの心の錨
それはただの頭の腫瘍
そして俺は暗闇の中にいる
[Verse 3]
So follow me into the desert, as desperate as you are
where the moon is glued to a picture of heaven, and all the little pigs have God
だからさ
お前と同じくらい絶望しているから
砂漠へ行く俺について来い
月が天国の絵に貼り付いていて
子豚のみんなには神様がいるんだ
Oh no, there she goes
Out in the sunshine
The sun is mine, the sun is mine
あ〜あ
彼女は行ってしまった
太陽の光の中で
太陽は俺のもの
太陽は俺のもの
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[Chorus]
I shot my love today, would you cry for me, yeah?
I lost my head again, would you lie for me?
I left her in the sand, just a burden in my hand
I lost my head again, would you cry for me?
Yeah, would you cry for me?
今日
愛する人を撃ち殺してしまった
俺のために泣いてくれる?なあ?
また正気を失った
俺のために嘘をついてくれる
彼女を砂の中に残して
ただ手に重荷を背負ったまま
また頭がおかしくなった
お前は俺のために泣いてくれるかい?
そうだよ
お前は俺のために泣いてくれるかい?
Writer: Chris Cornell
Translator: Lyra Sky 和訳
Burden In My Hand
この曲はビルボードのメインストリーム・ロック・トラック・チャートで5週間1位を獲得。サウンドガーデンの1997年のベストアルバム『A-Sides』にも収録されています。
歌詞について
【Burden in My Hand】の歌詞は、大まかな内容は、交際中の女性を殺害し、後悔の念を抱きながら砂漠に置き去りにする男について歌っています。
Kim Thayil
ギタリストの Kim Thayil キム・セイルはこの曲を「90年代の『Hey Joe ヘイ・ジョー』」と呼んでいましたが、それも納得です。
*Hey Joeについては、こちら→Hey Joe / Jimi Hendrix Experience 和訳 Run On Down Where You Can Be Free! 解説
Kim 「メロディー、歌詞、そして雰囲気に何か特別なものがあると思った。この曲が醸し出す全体的な感情的な不快感と美しさは、『Hey Joeヘイ・ジョー』が醸し出すあの身悶えするような美しさにとても似ている」
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砂漠の意味
Follow me into the desert,as thirtsty as you are Crack a smile and cut your mouth and drown in alcohol 'Cause down below the truth is lying beneath the riverbed So quench yourself and drink the water that flows below her head
出だしから主人公は、砂漠へと誘おうとしている。
「砂漠に行く俺に着いて来てくれ」から、考えられるのは、大切な人が灼熱の砂漠へと連れて行かれるイメージだ。
この場合の「砂漠」は皮肉を込めて使われており、アルコールへの過剰な耽溺、あるいは依存の比喩だ。もちろんアルコールは湿っていて液体だが、生命と希望を失くした荒れ地へと導く存在なのである。
Chris Cornejl
I shot my love today, would you cry for me? I lost my head again, would you lie for me?
サビの部分は、より不気味だ。殺人に対する主人公の後悔の念が芽生えつつある歌詞である。2011年にARTISTdirect.comのインタビューで、Chris Cornell クリス・コーネルは数年後、この曲が彼にとってどのような意味を持つようになったか尋ねられた。Chris自身もこう答えている。
「あの曲はギターから生まれた曲だった。まるでギターが歌詞のあり方を指示し、頭の中にイメージを描き出しているようだったんだ。そのイメージとは、ある貧しい男の姿。冷静さを失っていると言ってもいいだろう。何が起こったのかを受け止めようとしているけれど、どちらにしても特に感情的になっているわけではない。どうやって立ち上がって、一歩前に出るか、あるいは出さないか、考えているんだ。でも、この曲ではその気持ちが全く解決されていない。ただ、誰かが土の上に座っている瞬間を描いているんだよ。この曲ができてからは、以前よりもずっとそういう瞬間を経験したので、今になってこの曲は当時よりもずっと大きな意味を持つようになったんだ。」
Chrisには、迷いとかがあったのか?と思える言葉だ。どうやって一歩踏み出すか、踏み出さないかと考え悩む時が多かったようだ。ならばその経験からこの曲が大きな意味を持つようになったのなら彼の苦しみがどれだけ酷かったのかがわかる。繊細な人だったのがよく分かる。
Kill your health and kill youself and kill everything you love And if you live, you can fall to pieces and suffer with my ghost
これは明らかに悪の道へ進んでるイメージだ。主人公は罪を告白し、同情を求めた後にこう言った。
「健康を殺し自分自身を殺し愛するものすべてを殺しなさい
そしてもしお前が生き残ったら俺の幽霊とともにバラバラになって苦しむだろう」
もしかしたら、今になって自分の人生観を話している相手に植え付け、すべてを焼き尽くすという方法で、話してる対象の助けをえようとしているのかもしれない。もしくは脅して強制的にさせようとしているのだ。
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It's just a burden in my hand It's just an anchor on my heart It's just a tumor in my head And I'm in the dark
「それはただの手の中の重荷、それはただの心の錨、それはただの頭の腫瘍、そして俺は暗闇の中にいる」
主人公の重荷とは、彼女の遺体が砂漠で発見されつつあることだ。そしてその重荷に対処するために助けを呼ぶ必要がある。
罪に対する悔悟の念は微塵もない。暗闇の中は、罪人だからだろう。
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where the moon is glued to a picture of heaven, and all the little pigs have God
「月が天国の絵に貼り付いていて
子豚のみんなには神様がいるんだ」
ここで主人公が誰に語りかけているのかは明らかにはなっていない。恋人なのか、告白して同情を求めている相手なのか。
彼は、「お前と同じくらい絶望しているから砂漠へ行く俺について来い」と何度も自分についてこいと執拗に言っている。
彼は、表面上は美しく見えるかもしれないが、その下には毒があるような見せかけしかない絵のように嘘をつき、話している相手に同情してもらおうとしているのだ。
暗黒の世界の住人
それは同情して欲しいからかもしれないし、ただ頭が狂ってしまっていて場を持たせる為に言っているとも言える。
今、彼は孤独なのだ。罪人として暗黒の世界の住人の仲間入りを果たしたのだ。それを理解した上で、砂漠に置き去りにした女の死体を悪いとも思っていないのだ。
彼に何が起きたかは分からない。ただもう普通ではいられない。
Chrisがイメージした、ある貧しい男の姿。
冷静さを失い、何が起こったのかを受け止めようとしてるが冷静で、どうやって立ち上がって、一歩前に出るか、あるいは出さないか、考えている。逃げるか、逃げないかという罪人ならではの考えかもしれない。
でも全く何も解決されていないのだ。ただ彼はついの上に座ってるだけ。
これは絶望した人間の歌であり、後悔する取り返しがつかない事をしてしまった人や罪を犯した人間の性質を歌っているのだ。
考えたくはないが当時のChrisの心の暗い面が出てしまったのではないかと思う。
Chrisは、自分の暗い面を出し切ってしまいたかったのではないだろうか。前進むために、まるで告解のように。
ただChrisが書くと暗黒の世界でも美しい物語になってしまう。まるで砂漠にあるオアシスのように。
人はまだ救われるのではないかと期待してしまう。
救われないはずなのに、希望があるかのように思えてしまう。
暗黒の世界ですら見える太陽のように。
※ドラマはこちら→【THE LAST OF US ラスト・オブ・アス シーズン2】第7話ネタバレ解説 あらすじ 感想 Burden In My Hand
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Guitarist Kim Thayil considered it “the contemporary “Hey Joe” I thought there was something to the melody, the lyric, and the feel — the overall emotive sort of discomfort and beauty that that song elicited was very similar to that sort of squirming beauty that “Hey Joe” elicited.”
And Chris Cornell said
That was a song that really came from the guitar itself. It was mostly like the guitar was dictating what the lyrics should be and creating a mental image. The mental image was this sort of destitute guy. I guess he’d lost his cool if you want to put it that way. He’s sort of coming to grips with what had happened and not necessarily feeling particularly emotional about it either way. He’s trying to figure out how he would stand up and put one foot in front of the other—or not—and the song never really resolves any of that. It’s just that moment of somebody sitting in the dirt. I had more moments like that after that song was written than I ever had before it was, so it means a lot more to me now than it did then.
Personnel
- Chris Cornell – vocals, rhythm guitar
- Kim Thayil – lead guitar
- Ben Shepherd – bass guitar
- Matt Cameron – drums, percussion
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